崩れつつある“多人数対戦の常識” 最大16名対戦可能な『スーパーモンキーボール バナナランブル』のポテンシャルとは
6月25日、『スーパーモンキーボール バナナランブル』が発売となった。
シリーズで初めて、16人という多人数でのオンライン対戦に対応した同タイトル。パーティーゲームとしての新たな船出は、どのような結果へとつながっていくか。そのポテンシャルを考える。
かわいらしいサルのキャラクターが登場するカジュアルアクション『スーパーモンキーボール バナナランブル』
『スーパーモンキーボール バナナランブル』は、セガが発売を手掛けるアクションゲームだ。プレイヤーはコントローラーのスティックを傾け、動くフィールドを操作することで、サルの入ったボールをゴールまで誘導していく。
2001年、アーケードで展開された『モンキーボール』をシリーズの初作としており、これまで家庭用プラットフォームを中心に、ナンバリングやリメイクなど、10作がリリースされている。最も直近に発売されたのは、2021年の『たべごろ!スーパーモンキーボール 1&2リメイク』(PlayStation 5/PlayStation 4/Nintendo Switch/Steam)。『スーパーモンキーボール バナナランブル』は、およそ3年ぶりにリリースされるシリーズの最新作である。
特徴となっているのは、登場するキャラクターたちのかわいらしさと、誰でも気軽に楽しめるカジュアルなゲーム性。今作ではシリーズで初めて、最大16人によるオンライン対戦モードも実装された。また、従来はシングルプレイ専用だった「メインモード」は、「アドベンチャーモード」へと名前を変え、こちらもオフライン、あるいはオンラインで最大4人による同時プレイが可能となった。
対応プラットフォームはNintendo Switch。価格は、通常版がパッケージ/ダウンロードともに5,489円、デジタルデラックス版が7,689円(ともに税込)となっている。
『スーパーモンキーボール バナナランブル』は、持ち前のパーティゲームとしてのポテンシャルを生かせるか
先にも述べたとおり、『スーパーモンキーボール バナナランブル』にはシリーズで初めて、多人数によるオンライン対戦モードが実装された。これにより、同タイトルはパーティーゲームの系譜に名を連ねることとなった。6月30日には、バーチャルライバーグループ・にじさんじとコラボレーションし、「にじさんじウキウキカップ」を開催。16名の人気VTuberたち(三枝明那、榊ネス、笹木咲、椎名唯華、長尾景、花畑チャイカ、葉山舞鈴、樋口楓、本間ひまわり、魔界ノりりむ、魔使マオ、社築、夜見れな、ローレン・イロアス、レオス・ヴィンセント、渡会雲雀)が「太陽チーム」「月チーム」の2つにわかれ、さまざまなルールで勝利を競い合う様子からは、『スーパーモンキーボール バナナランブル』のパーティーゲームとしてのポテンシャルを大いに感じさせられた。
パーティーゲームのジャンルにはこれまで、たくさんの人気タイトルが生まれてきた。『マリオカート8 デラックス』や『マリオパーティ スーパースターズ』、『世界のアソビ大全51』『Nintendo Switch Sports』『Fall Guys』『Among Us』『ドカポンキングダム コネクト』『人生ゲーム for Nintendo Switch』『桃太郎電鉄ワールド 〜地球は希望でまわってる!〜』など、現行機以降に限定しても、その例は枚挙にいとまがない。
従来は「4人によるマルチプレイ」が同分野に分類される“必要十分条件”であったように感じるが、直近ではその前提も崩れつつある。2024年6月配信の任天堂の新作情報番組「Nintendo Direct 2024.6.18」で発表された「マリオパーティ」シリーズ最新作『スーパー マリオパーティ ジャンボリー』には、最大20名で競い合うオンライン対戦モードが実装されるという。もちろん過去には、20名を超える多人数での対戦タイトルも存在していたが、その大半がシステム上のマッチング機能を介して集められた“不特定多数”によるものだった。「既存のコミュニティからの20名で遊べる」というシステムは画期的だと言える。そうした要素が関心を集め、同タイトルは発表時点から界隈の話題を呼んだ。
その観点に立つと、最大16名によるオンライン対戦機能を備えた『スーパーモンキーボール バナナランブル』にも、匹敵するパーティーゲームとしてのポテンシャルがあることになる。惜しむらくは、同タイトルが現時点では、それほどの影響力を持てていないことだろう。上述の人気パーティータイトルと同様に市民権を得ていくためには、どのように界隈に認知され、プレイヤー人口を増やしていけるかがカギになると言える。
『スーパーモンキーボール バナナランブル』は持ち前のポテンシャルを生かし、パーティーゲームの歴史に名を刻めるか。今後の動向に注目だ。
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