UUUMはなぜTikTok広告で急成長を遂げたのか UUUMとTikTok for Businessそれぞれの視点から見えた“勝因”と“ショート動画広告の未来”

 UUUMは2024年4月、TikTok for Businessが主催した、2023年の広告実績を表彰する「TikTok for Business Japan Awards 2024」で、年間を通しTikTok for Businessを積極的に活用し、急成長を遂げた広告会社/広告代理店を表彰する「Rising Star Category」でBronze Awardを受賞。また、「Agency Category」においても、広告パフォーマンスを高度標準化する運用手法「TikTok Quest」に高い水準で取り組んだ広告代理店に贈られるQuest特別賞も同時受賞した。

 YouTubeクリエイターのマネジメント会社というイメージが強い同社。なぜ運用型広告に取り組み、急速に成果を出せたのか。今回はUUUMで運用型広告事業に携わるデジタルマーケティングユニット マーケティングパートナーユニット ユニット統括 古田新氏とTikTok for Business Japan, Global Business Solutions, Sales Director, Head of Growth Agency 河野正寛氏にインタビューを敢行。両社の運用型広告事業やUUUMの受賞要因、ショート動画広告のこれからについて話を聞いた。

クリエイターの広告出演を先駆的に開始 「好きな情報として受容しやすく」

ーーまず、TikTok for Businessが広告事業をはじめるまでの流れを教えていただけますか?


河野正寛(TikTok for Business Japan, Global Business Solutions, Sales Director, Head of Growth Agency)

河野正寛(以降、河野):2017年に日本でサービスを開始した当時は広告はなく、純粋にユーザーに利用してもらうところからスタートし、広告事業は2018年の夏から開始しました。若年層を中心に人気が高まっていき、いまでは幅広い世代の方々に利用いただいており、博報堂の調査によると、現在の平均視聴者層は36歳と全体的に年齢層が上がってきました。

(参照:TikTok ユーザーの平均年齢が「36歳」に上昇:博報堂のコンテンツファン消費行動調査にみる、日本におけるTikTokユーザーの実態とは

ーーどのような業種のクライアントさまがいらっしゃるのでしょうか。

古田新(UUUM株式会社 デジタルマーケティングユニット マーケティングパートナーユニット ユニット統括)

河野:2019年頃まではゲームやマッチングアプリ、電子書籍などアプリ広告主が多く、徐々にeコマースや飲料などに広がっていきました。直近ですと金融、ファッション、コスメなどが多いですね。

ーー幅広い層のユーザーに支持されている分、クライアントさまの業種もさまざまですね。UUUMでは2021年にショート動画広告に特化したチームが発足したそうですが、その後TikTok専門チームが誕生した経緯を教えていただけますか?

古田新(以降、古田):2021年にショート動画の運用型広告事業をスタートしましたが、クリエイター事務所が広告代理事業を始めたということが目新しかったんです。もともとYouTubeに強い会社なので、所属クリエイターの方々にご協力いただき、1年かけてTikTokの成果を伸ばしました。

 2022年にTikTokに特化したチームを発足したのは、ユーザー数の伸びがほかのプラットフォームに比べ圧倒的で、ショート動画を強化するうえでは必要不可欠だったということ、広告主の方々もTikTokに目を向けていたのが理由です。

河野:ショート動画が世に出る前の運用型広告は、デジタル専業の代理店がほとんどシェアを占めていました。リスティング広告やディスプレイ広告と進化していきましたが、動画は制作にリソースやコストがかかるため、スライドショーのようなもので十分だと考えられていたのです。当時UUUMさんが運用型広告に参入することを知ったときは大変驚きましたし、UUUMさんに所属するクリエイターの方々が広告に出演してくださるのは、我々にとっても、広告主にとっても一つの転換期になると思いました。

古田:動画クリエイターが自身のYouTubeチャンネルで商品を説明するという印象が強く、企業の広告にクリエイターが出るということが当時はありそうでなかったので、驚かれたと思います。

ーーいまではクリエイターが起用されている広告をよく見かけるようになりましたね。動画広告にもいくつか種類がありますが、TikTok広告ならではの特徴を教えてください。

河野:縦型で時間が短く、フルスクリーンで動画が流れてくるところはもちろん、オーガニック投稿と広告との境目がなく、広告が自然と目に入ってくるところが強みです。ほかの動画プラットフォームでは動画の途中で広告が差し込まれていますが、TikTokではおすすめ機能によって選別された動画をスワイプしている間に広告が流れてくるので、ユーザーが広告であることを気づきにくいというのも特徴です。

ーー広告と通常の投稿の見分けがつきにくいため、広告効果が高いということですね。

河野:画像広告は画像が出てきたときにクリックするか、クリックした先に書かれている内容に納得するかどうかが重要です。一方、動画広告は、動画クリエイティブの中でストーリー展開されることが多く、いつの間にか態度変容が起こるように作られています。

 TikTok広告では多く配信されているのは30秒から1分ほどの動画です。そのくらいの長さがあると、表現の幅がすごく増えるので、TikTokは動画広告のなかで態度変容を起こしやすい、広告効果に繋がりやすいプラットフォームだと思います。

古田:TikTokはインターフェースが変わらないので、よく言えば、広告を1つの情報として取り入れやすいのが強みだと思います。特に広告をエンタメコンテンツのように作ってクリエイターが投稿すると、ユーザーは好きなクリエイターの情報として受け取るので、広告が見られやすくなります。


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