ポルノグラフィティやいきものがかりなど手がける名プロデューサー 本間昭光に聞く「AKG」サウンドを体現した『N5 HYBRID』の魅力

本間昭光に聞く「AKG」サウンド

honma

――本間さんが思う、『N5 HYBRID』に特に合う音楽ジャンルはありますか?

本間:実際にいろんな音楽を聴いたんです。洋楽も一通り聴きましたし、今の日本のヒットチャートも順番に聴きました。そこで感じたのは、非常に万能なイヤホンだということです。音源を忠実に、素直に再生してくれるイヤホンだと思います。色付けがあまりされないので、入っているものがそのまま出てくる感じ。あとは聴く人の好みで、「AKG Headphones」のアプリで変えてくれということなんでしょうね。このアプリにはEQがあるのですが、そこまで激しい変化をするEQではないので、プリセットされているものに切り替えて好みの音にしていくのがいいのではないでしょうか。

 ただ、制作側としては、基本的にはフラットな状態で一番良い音を作っているので、聴く側であまり色付けしないでほしいというのが本音ではありますけどね(笑)。でも好きな音も十人十色なので、それぞれ好きな環境で聴いてもらえたらいいと思います。

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――ユーザーが好みの音にできるのを前提に、かなり素直な再生をしてくれるんですね。

本間:そうですね。フラットな鳴り方をしてくれるので、そのアーティストが今どんな処理をすることが好きなのか、そしてどんな音がトレンドなのかが分かる。なのでこういう風に再生してくれるイヤホンはありがたいです。

 音の処理にも流行りがあって、数年前のアメリカだと30Hzくらいの帯域がぐっと盛り上がったりしていましたが、最近それがおとなしくなっているんです。楽器のバランスがどんどん変わっていて、この間リリースされたテイラー・スウィフトの音源なんて、ドラムがほとんど聴こえない。ベースで全部リズムを作っていて、コードもないんです。ベースと歌があって、ドラムが遠いところにいる。そういうのも、色付けされたイヤホンだと分からないんですよね。

――フラットに再生してくれるということは、どの時代の音楽でも違和感なく再生できそうですね。

本間:そうなんです。1961年くらいのヘンリー・マンシーニのジャズオーケストラの音源を聴いても綺麗ですし、最新の全米ヒットチャートのトップにいるような、低音がブリブリしている音源を聴いても大丈夫。すごく万能ですね。

 最近、アメリカに滞在しているときに登録したTIDALというストリーミングサービスを使っているんです。そこに新しいおすすめ曲がどんどん追加されるプレイリストがあるんですが、ほとんど知らない曲なんですよね。それをたくさん聴いて、北米で流行っているサウンドはどんなものかというのを知っておくようにしています。

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――装着感などはいかがでしたか?

本間:装着感が良いので、抜け落ちる怖さがないんですよね。徐々にずれてくることもなく、信用できるなと思いました。

 イヤーピースが大、中、小とついているのですが、アプリがそのフィット感を教えてくれるんです。「右耳に少し隙間があるのでもう少し大きいものに変えてください」とか。これはすごいなと思いました。

 あと、アプリの中に、自分の耳の聴こえ方を測定する機能があるんです。右耳のここが足りていないので、調整しますということをやってくれるんですね。中々面白い機能だなと思いました。

honma

――一般のリスナーも、物音や話し声のある電車の中で無理やり音楽を再生するよりも、ノイズキャンセルをオンにした方が集中して音楽を楽しめそうですね。

本間:そうなんです。がやがやしている方が音楽は分からなくなりますからね。制作者のこだわりも、周りのノイズで消されてしまいますから。だったらノイズキャンセルをかけて聴いた方がいいと思います。

 僕らはプロでやっている以上、その作品がどういう意図で、どんなバランスで、どういう風に作られたかというのを解析したいんです。でもそれはそもそもBluetoothイヤホンでやることではない。それは家のスタジオだったり、環境が整っているところでやるべきだと思います。Bluetoothイヤホンの良いところは、どんなところでも音楽を楽しむことができること。ノイズキャンセルがあるなら尚更です。

honma

――反対に、改善してほしい部分などはありましたか?

本間:ひとつリクエストするなら、もう少し耳に押し込みたいときに、ワンタッチのセンサーが働いてノイズキャンセリングが切れてしまったりすることがあるので、その設定は最初からない方がいいのかなと思いました。場所を直そうとして触ると、ポンと反応してしまうんですよね。

 あともうひとつあるとしたら、電池の持ちですかね。ノイズキャンセルができたり、機能がたくさんついてくると消費電力も大きくなってしまいますし。でもワイヤレスイヤホンもここまで来ると、これ以上望むことなんてそんなにないんじゃないかな。それくらい優秀な製品に仕上がっていると思いますね。

参考情報
https://jp.akg.com/

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