あの人のゲームヒストリー 第二九回:RaMu
ゲームは「絶対に裏切らない親友」 RaMuが語る“楽しい”を仕事にする魅力と苦悩
好きなことを仕事にすることの難しさ
ーーRaMuさんは、好きなことをそのままお仕事にされている印象があるのですが、それぞれの仕事に対してどのように向き合っていますか?
RaMu:いい意味でも悪い意味でも“お仕事”って感じではないんです。なにか楽しいことをしていたら、それがそのまま収入になっていたみたいな感じで。楽しむ気持ちをメインに活動しているので、もしかしたらプロ意識がないのかもしれないです。
自分が楽しいと思っていることを、楽しく思えなくなってしまうのは悲しいじゃないですか。だから、いいかどうかはわからないんですけど、遊び感覚で活動していますね。
ーーでも、好きなことを仕事にできているのは素敵ですね。
RaMu:最初は、それゆえに悩んでいた時期もありました。たとえばゲーム関連のお仕事をいただいたときに、自分の好きなジャンルではない作品のときもあって……そういうときにどうしても“お仕事モード”になっちゃうんです。それを見たユーザーさんに「頑張ってる感が強すぎて、見てるこっちがキツくなる」と言われたこともあります。
当時は「なんでお仕事なのに、頑張っちゃダメなの?」と思っていたんですけど、やっぱり見ている人からすると義務感みたいなものが伝わりすぎていたんでしょうね。
ーーたしかに、好きなジャンルでもすべてがマッチするわけではないですよね。その悩みはどのように乗り越えたのでしょうか?
RaMu:もっと遊び感覚でやれば楽しくなる! って切り替えたんです。以前は「仕事だから作品についての知識は全部知っておかないと……」と思ってめちゃくちゃ調べていたんですけど、逆にいまは最低限の情報だけ調べて、あとは実際に触れてその場で楽しんでいます。知らずに遊んでみると、案外おもしろいじゃん! って思えるようになりました。自分の好奇心に素直に従うことにしたんです。
ーーなるほど。それはゲーム以外の活動にも応用できそうな考え方ですね。
RaMu:そうですね。私は個人チャンネル以外に、「シネマンション」という映画紹介チャンネルのMCもしているんですが、あまり知られていない変な映画の方がたくさん語れたりするんです(笑)。誰もが知っている名作のような作品の方が、逆に語るのが難しかったりするので。どんなものに対しても、遊び感覚で楽しめば楽しめるようになりました。
マルチプレイヤーだからこそ出せる唯一無二の存在感
ーーYouTubeにゲームにグラビアと幅広く活躍をしているRaMuさんですが、それぞれの活動に対してはどう考えていますか?
RaMu:どの場所でも、自分のテンション感はほぼ同じですね。以前は、自分の活動内容をどれかひとつのジャンルに絞るべきなのか悩んでいました。私って、活動領域がゲームとSNSのハーフみたいな状態なんです。立ち位置がはっきりしていないので、カテゴリー分けできる存在になった方がいいのかなと思いました。
でもどれかひとつに尖れるほど強くはなかったので、徐々にこの状態の自分を受け入れていったという感じです。開き直ることができたら、窮屈に感じていた活動が少しずつ自由になっていきました。いまはどこで活動しても、素の元気が姿を見せられるようになりましたね。
ーー今後、力を入れていきたい活動はありますか?
RaMu:配信活動は日常生活の一部になりつつあるので、これから先もずっと続けていきたいです。ファンの方にとっても、私の配信ってフラっと友達感覚で立ち寄れる場所だと思うんですよ。実際に会いに来てくれる方もいるのですが、遠方に住んでいたり、お金がかかったりしてなかなか会えない人も多いので。おばあちゃんになっても、配信はやっていきたいな!
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