「ぶいすぽっ!」をリードする姉妹コンビ 花芽すみれ、なずなの“多面的な魅力”を紐解く

ゲームでも、事務所でもIGL みんなのまとめ役・花芽なずな

 つづいて紹介するのは花芽姉妹の妹、花芽なずなだ。

 デビューから何度となく「2人(すみれ/なずな)は本当の姉妹ですか?」という類の質問や投稿があったようで、2021年5月末に「義理の双子であり、そのことを運営スタッフに隠してデビューした」と明言。どちらが姉/妹となるかについては「じゃんけんで決めた」と冗談めかして話している。

 花芽なずなもすみれと同じく、2018年9月21日にSNSに初投稿し、10月11日に動画を投稿。10月20日に開催された『第1回 VTuber最協決定戦』から本格的な活動をスタートした。

 当時は「ぶいすぽっ!」どころか、「Lupinus Virtual Games」も結成されていない頃であったが、なずなは運営スタッフ、姉・すみれとともに活動をスタート。『PUBG』のプレイ動画・配信を継続的していくこととなる。そのうちのいくつかは現在でも視聴することができ、当時の彼女らを知れる貴重な内容となっている。

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 現在のシーンのなかでもゲームセンス・FPSセンスはやはり頭抜けており、もっとも好きなゲームとして『CS:GO(Counter-Strike: Global Offensive)』を挙げている。『Apex Legends』ではダイヤモンドにとどまっているものの、『CS:GO』と似たタクティカルFPS『VALORANT』ではイモータル(上から2番目のランク)を獲得したしたこともあり、本人は謙遜するが一定以上の実力者として知られている。

 彼女を特異たらしめているのは、FPS経験の深さからくる器用さとゲームIQの高さにあるだろう。数多あるFPSゲームを一定時間・レベルでプレイしてきたこともあり、TPS/FPSといった視点の違い・ゲーム性・銃の反動や物理エンジンの違いなど、全くプレイ感の異なるゲームであっても、少し時間をおけばすぐにコツを掴んでしまえる。

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 そんな彼女の経験・センスを十二分に活かした企画といえば、「FPSゲーム全部勝つまで終われません」という耐久配信であろう。

 内容は単純明快で、これまで自身が経験してきたFPSゲームをプレイし、全てのゲームでチャンピオン(1位/勝利など)を獲得するまで配信を終われないというものだ。

 これまで3度にわたって催されている企画で、初回と2回目は『Apex Legends』『PUBG』『VALORANT』『CS:GO』『Rainbow Six Siege』の5作品でプレイし、3回目となった2023年2月3日の配信では『Overwatch 2』『CoD: War Zone 2.0』『CoD: Modern Warfare II』の3作品が加わり、計8作品をプレイした。

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 時にはぶいすぽっ!メンバーのヘルプを借りつつ、いずれの配信でも全ゲームでチャンピオン/勝利で終わらせており、もちろん途中ギブアップをしたことはない。

 長くプレイしていても集中力を切らすことなく次々と勝利を飾っていく内容は、さながら“FPSゲームトライアスロン”といってもいい。他のぶいすぽっ!メンバーやストリーマーが同じようにプレイしても、順調に1位をゲットするのも大変ではないだろうか。彼女のゲームセンスの高さや来歴を知るには良い内容であろう。

 そんな花芽なずなというと、「可愛い担当」というイメージ・自称を思い出すファンが多いだろう。黒髪にピンクのインナーカラーをして、桃色の服を身にまとう。たしかに彼女は「可愛い担当」を名乗るにふさわしいかわいい系の容姿をしている。

 また彼女は後輩たちから「なずちゃん」「なずぴ」と、砕けた呼び方で慕われており、上下関係を感じさせることはあまりない。こうした他メンバーとの距離感については、普段の行動も大いに影響を与えているだろう。

 配信で他メンバーとコラボする際は、テキトーな会話と受け答えをしたり、ちょっとしたことで突っかかってみたりなど、茶目っ気ある言動で周囲を振り回すことが多い。後輩である一ノ瀬うるはや橘ひなのからは「うぜぇ!」「ふざけんな!」と冗談交じりに一喝されることもしばしば。これも彼女なりの後輩とのコミュニケーション術なのだろう。

 ただ、これが仲の良いストリーマーの前でも飛び出すことがあるため、彼女を知るストリーマーファンのなかには、「やんちゃで可愛らしい」を飛び越え、「花芽すみれはヤバい」という印象を持っているファンやリスナーもいるかもしれない。

ヴァロ@1募集した結果、花芽姉妹のアカン方が来るボドカwww【ボドカ/花芽なずな/VALORANT】

 そんな彼女が姉・すみれと一緒になると、阿吽の呼吸で周囲のメンバーを振り回しつづけ、2人の空気感にどんどん巻き込んでしまうという、ある意味で恐ろしいコンビとなる。無茶な話題・フリを交互に出し合いつつ、相手の出方をみながらアレコレと会話をコントロールしていく流れは、特に『Apex Legands』や『VALORANT』でのコラボ配信でよく見られたシーンだ。

 やんちゃで可愛らしいイメージが持たれがちな花芽なずなだが、一方で彼女の配信をしっかりと追いかけているファンからすれば、「真面目さ」「まとめ役」という、前述のような評価からは対極に位置する人物像もご存じのはずだ。

 「Lupinus Virtual Game」ではまとめ役となり、多くのゲームでIGL(イン・ゲーム・リーダー)を務めることが多かった彼女。活動の初期から2020年ごろまでは、グッズの梱包や送付、ファンレターの整理といった、本来であれば裏方のスタッフがするような作業をこなしていた時期もあったといい、「ぶいすぽっ!というグループをどのように運営していくか」「全体をどのように動かそう」という、運営目線で思考をする機会が比較的多かったようだ。

 そうした思考、向き合い方を持って活動をしているおかげか、おちゃらけた態度で周囲をイジりつつも、状況や関係性を見つつ自分の意見や狙いを発信することが多く、責任感の強さやリーダーシップの強さを感じられるシーンも多い。

 多くのことを抱える彼女だからこそ、ときに考えすぎてしまった結果空回りしてしまうこともあるが、「どうすれば集団・社会・コミュニティがフレンドリーかつ心地よい場所になるか?」とさまざまに動く姿に、ある種の善人性を読み解くファンも少なくないだろう。

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