オーディオ評論家・野村ケンジがオススメする「新生活で使いたいオーディオガジェット」
この時期は学校や会社など新しい環境での生活がスタートする人も多いことと思う。そんなタイミングをきっかけに、オーディオの環境もリフレッシュしてみてはいかがだろうか。ワイヤレス製品はいまだ進歩の途中にあって、性能がアップグレードしていることはもちろん、画期的な機能が加わっていたり、デザイン的にも一段と洗練されていたりと、魅力的な製品が次々と登場している。特に、近年はカジュアルな価格帯やサイズのポータブル製品が面白かったりする。
そういった魅力ある製品たちを、新生活をスタートする人もそうでない人もこの春をきっかけに選んでみては。値段やブランドを優先するのではなく、自分のライフスタイルを豊かにしてくれそうな、そんな“便利”で“楽しそうな”製品を選んで欲しい。今回はその代表例として、そういった魅力をもつ6製品を紹介させてもらおう。
■JVC スピーカー 『Victor SP-WM01BT』
ウッドコーンスピーカー、ウッドドームイヤホンなど、木材ならではの特徴を活かした製品作りが注目を集めているJVCケンウッドから、ビクターブランドのBluetoothスピーカーが誕生。“手のひらサイズ”といえるコンパクトなボディには、天然木を採用していて音とデザインの両面でウッドならではの魅力をアピールする。連続12時間の再生が可能なバッテリー持続時間を確保、2台用意することでステレオ再生できたり、充電しながらの再生が可能だったりと、機能面でも上級クラスならではの充実した内容を備える。
●野村ケンジ的オススメポイント
自然な風合いの天然木ボディは上品で上質、室内でさりげないアクセントになってくれる。肝心のサウンドもなかなかに上質で、聴き心地のよい音色を基調としつつも、そのサイズからは想像できない迫力も持ち合わせている。2台でステレオ再生できる機能を持つが、1台でも充分楽しめる。バッテリー内蔵で屋外に持ち運べるので、キャンプやグランピングの際も楽しめる使い勝手のよさも嬉しい。
■final stody1 『学習用有線イヤホン』
九州大学・河原一彦博士との共同研究により築き上げたという「話し声を聞きとりやすくする」物理特性に基づいて音響を設計。その結果として、人の声が聞き取りやすい製品に仕上がった有線イヤホン。また、本体が軽量なことに加え、装着感と遮音性の両方で好印象な自社製のソフトタイプ・イヤーピースが付属するため、長時間の使用時にもストレスが少ない。録音した授業等のリスニングやオンライン講習、オンライン会議などで大いに活躍してくれる製品だ。
●野村ケンジ的オススメポイント
人の声が“聴きやすい”だけでなく、“声に集中できる”音を持ち合わせている製品となっていて、退屈になりがちな授業や会議でも内容に集中することができるのが最大にして嬉しいポイント。また、ややヴォーカルが前面に出て目立ち気味な傾向にはなるけれど、音楽リスニング用としても充分に活用できる良質なサウンドも持ち合わせている。実用的でありながら、楽しさも持ち合わせている、それでいて値段も手頃な、高い満足度をもたらしてくれる製品だ。
■ag 『COTSUBU MK2』
好評モデルの進化バージョン。片側3.5gという小型軽量なイヤホン本体によって、女性など耳穴の小さい人でもストレスなく長時間にわたって音楽を楽しむことができる完全ワイヤレスイヤホン。また、独自のディープフィット機構によって、耳からこぼれ落ちることの少ない高いフィット感とともに、ANC(アクティブノイズキャンセリング)いらずの高い遮音性も確保されている。アースカラーやくすみ系といわれる色調を中心とした、7色ものカラーバリエーションが用意されている。表面加工「粉雪塗装」は皮脂や指紋などの汚れが目立ちにくく、かつ滑りにくいのが嬉しい。連続音楽再生時間はイヤホン本体で最大5時間、専用ケースからの充電を含めると最大20時間使い続けることができる。また、IPX4の防滴性能が確保されている。
●野村ケンジ的オススメポイント
耳から飛び出すことなくスマートに装着できるなど、デザイン面でのよさが際立っている「COTSUBU MK2」だが、オーディオブランドfinalが監修するサウンドも推しのポイント。ハードウェア中心に追求した音質(Bluetoothに起因する高域のクセのみデジタル補正を行っているとのこと)は、鮮度感の高い、躍動的なサウンドを楽しませてくれる。使い勝手、音の両面でオススメできる製品だ。
■MONDO BY DEFUNC 『Freestyle』
ストリートカルチャーブランドのDopestとストリートカルチャー音楽レーベルのMonza、オーディオブランドのdefuncという、スウェーデン発3社のコラボレーションによって誕生した新ブランド「MONDO BY DEFUNC」がこのたび日本に上陸。その第1弾製品のひとつとなったのがオンイヤータイプのBluetoothヘッドホン『Freestyle』だ。こちらは、80年代をモチーフとした個性的なデザインが特徴。物理操作にもこだわっており、両側のアウターハウジングに回転するダイヤルを採用することで、タッチパッドなどとは異なる、誤操作のないストレスフリーな操作が行えるようになっている。また、装着時にストレスを全く感じない、約68gという軽量さも嬉しいポイントだ。BluetoothコーデックはSBCとAACに対応。バッテリー駆動時間は最大約22時間となっている。
●野村ケンジ的オススメポイント
36mm口径のドライバーユニットが奏でるサウンドは、現代音楽にマッチする“重低音”系のキャラクターが特徴。それでいて、ヴォーカルの声やギターの演奏などが自然な印象に感じられるのは、defuncが関わっているからこその恩恵だろう。また、スマートフォン・アプリに10バンド・イコライザーが付属しており、こちらを活用することで自分好みのサウンドに仕立てることが可能となっているので、デザインに惚れて選んだ人も存分に楽しむことができるはず。
■オーディオテクニカ 『ATH-S120C』
スマートフォンやPCとUSB Type-Cで接続するオンイヤータイプの有線ヘッドホン。約110gの軽量/コンパクトボディによって、軽快な装着感を実現。長時間のオンライン会議やゲームプレイなどにも向いた製品となっている。さらに、良質なマイクを採用することで、会議やチャットもスムーズに行えるようになっている。カラーは定番のブラックに加えて、ブルーグレーやライトバイオレットなどカジュアルなバリエーションも用意されている。
●野村ケンジ的オススメポイント
口先だけでなく本当に小型軽量で快適な装着感を持つ製品。有線接続ならではの煩雑さは気になる人がいるかもしれないが、電波状況の悪い都心でも音切れが皆無だったり、遅延なくゲームが楽しめたりと、逆に魅力的な部分も多々ある。
サウンドも、オーディオテクニカらしい明朗快活なキャラクターでノリのよい歌や演奏を楽しむことができる。ちょうどいいと思えるカジュアルさが魅力の製品だ。
■JBL『 TUNE 310C』
スマートフォンやPCとUSB Type-Cで接続するJBLのカナル型イヤホン。9mm口径のダイナミック型ドライバーを採用、最大96kHz/24bit対応のDACを搭載することで、JBL初のハイレゾ認証を取得したモデルとなっている。ケーブル(R側)にマイク付き3ボタンリモコンを採用。音量調整や曲の操作(再生/一時停止/曲頭戻し/曲送り)、ハンズフリー通話などを操作することができる。さらに、「デフォルト」「ベース」「ボーカル」という3種のプリセットイコライザーを用意、こちらもリモコンから切り替えることができる。
●野村ケンジ的オススメポイント
軽量で扱いやすい有線イヤホン。音質的にも、USB Type-C接続による良質さを持ち合わせており、同時にJBLらしいメリハリのよい演奏や表情豊かなヴォーカルが楽しい。また、有線接続のよさを改めて実感させられる製品でもある。電波状況の悪い都心でも音切れが皆無だったり、遅延なくゲームが楽しめたりと、Bluetooth接続では解決できない部分でアドバンテージを持ち合わせている。
音質を含め、とてもコスパのよい製品だ。
オーディオ評論家・野村ケンジがZ世代におすすめしたいオーディオアイテム5選
30年以上のキャリアを持つ筆者が、Z世代に向けたアイテム選びのコツとして「本物のオーディオ製品」を選ぶことの大切さを強調した。