『フリースタイル日本統一』#18ーー拾われた組の闘いに 新たに見つけた“背負うもの”

フリースタイル日本統一 #18

NAIKA MC、人柄では勝利した外せない一戦「もう一本あるんでしたっけ?」

 前回の【#17】に引き続き、TEAM神奈川(FORK×句潤×SANTAWORLDVIEW×輪入道×崇勲)とTEAM北関東(DOTAMA×NAIKA MC×Yella goat×MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻×Sitissy luvit)が、準決勝(五十万石の戦い)で対戦中。戦況は序盤から変わらず、TEAM神奈川が優勢なまま。TEAM北関東は残すところ、あとひとり。大将・NAIKA MCが背水の陣で、番組2度目の登場を迎える。

 対戦相手は、輪入道。ビートは、東京弐拾伍時「東京弐拾伍時」。NAIKA MCが先攻で、譲れない一戦の狼煙が上がった。

NAIKA MC:日本統一にはもってこいのキャラクターじゃねぇかよ なぁ 千葉のチンピラ お前も成り下がったってな あの組に入れてもらったんだろ

輪入道:どぶさらいもやったし 下積みもやった 今さら何言ってやがる チンピラから成り上がった いつまで経っても変わらねぇ 形だけのディス通じゃねえんだ こっちは叩き上げだよ

NAIKA MC:叩き上げは北関東だよ このマイクは飾りじゃねぇんだよ 当たり負けするわけねぇだろうが/DOTAMAの眼鏡がキラりと光った瞬間 NAIKA MCの頭もピカりと光るんだよ

輪入道:そんなに分かってんだったら 今更なディスしてんじゃねぇよ 地元の後輩に同じ事言えんのか?

NAIKA MC:地元の若手に胸張れるぜ 胸を張るんだよ 北関東はよ 見栄じゃねぇぜ 胸とあと背中だ 馬鹿野郎 叩き上げの戦いだよ お前に負ける気なんかこれっぽっちもねぇよ

輪入道:叩き合った後にはいつも握手するよりも 街と街の間の隠す事も出来ない 俺たちのパッション

 1バース目から、受けては返しの速い展開が続く。NAIKA MCがまず〈千葉のチンピラ〉と誘うと、輪入道が“成り上がり”や“叩き上げ”の話題を持ちかけるが、NAIKA MCも2バース目で真っ先にそれを翻す。3バース目でも、“地元の後輩に〜”というフリースタイルバトルである種、常套句となっている攻め文句を突きつけられるも、見栄でなく胸を張り、ついでに背中も見せるなど、“+α”の返しをできている印象だった。

 両者とも、相手の言葉の重箱の隅を突くように細かな部分を拾い、自身の拳銃の弾としていく感覚。大きな隙を見せれば、すぐさまバトルの決着がつくという、バトル巧者だけが持つ余裕のなかにある、また別の意味での余裕=油断を許さない緊迫感が伝わってくる。本当に目まぐるしい。

 筆者個人としては、前述の“+αの返し”という点で、NAIKA MCに軍牌が上がったかと思っていたが、結果は2-3の僅差で輪入道が勝利。とはいえ、敗退したNAIKA MC自身が「北関東はね、言い訳はしないんで。潔く負けを認めますよ」とコメントを残しているのだから、視聴者サイドから後腐れが残ることは言えない。その後すぐに「もう一本あるんでしたっけ?」と、そしらぬ顔で尋ねたオチまで含めて、本当に好きにさせられてしまう人柄だ。

 同バトルをもって、まずはTEAM神奈川の決勝戦進出が確定。TEAM北関東からは、FORK直々の指名でMC☆ニガリa.k.a赤い稲妻を吸収。「親戚の集まりみたいで落ち着かなかった」という古巣を抜け出して、決勝戦でもリリカルなラップを見せられるか。

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