ライバーの個性を堪能し、とりどりの姿を見せた葛葉のアクトに感動するーー『にじさんじフェス2023』現地レポ

Day2も大盛況! 葛葉によるスペシャルステージをレポート

 クリスマスイブ・24日の開催となったDay2。この日はオープンとなる9時という早い時間帯から多くのファンが入場でき、さまざまなアトラクションが早々に長時間待ちとなっていた。

 そんなタイミングで、スペシャルステージにて11時からスタートしたのが『Kuzuha Solo Event “Kaleidoscope”』だ。

 黒を基調とした色合いのアーティスト衣装で登場した葛葉は、「Black Crack」「Liberty & Freedom」と彼の最新楽曲2曲を堂々と歌い、シンガー然とした姿を見せた。

 ここからまた数曲歌うかとおもいきや、剣持刀也/社築/イブラヒムと親交の深いライバーたちが登場、文化祭衣装に着替えてのバラエティパートへと移っていく。「クイズ3番勝負」と銘打ったパートでは、福笑い・テイスティング対決・障害物競走でそれぞれが競い合う。勝負の行方はというと、葛葉が一瞬気を抜いて負けそうになったものの、そこから見事逆転し、ギリギリの勝利を収めた。

 そのまま剣持、社築、イブラヒムらと共に披露した「テレキャスタービーボーイ」では、同曲のMVをオマージュするように衣装チェンジをしていき、最後に白を基調にした新たな私服姿を初披露した。

 つづいて順番に登場した卯月コウ/ローレン・イロアス/不破湊らとそれぞれデュエットで歌唱を披露していった葛葉。特に白眉だったのは卯月コウとの「会心の一撃」だ。

 葛葉が彼ら3人と絡んでいるときは、悪ガキ感が全面に押し出された雰囲気になることが常である。彼のなかに潜んでいる少年性を強く感じさせてくれる、もしかすれば彼を知るひとにとってのパブリックなイメージはこちらかもしれない。

 まだ見ぬ未来への不安や期待を大げさな言葉で次々に表現していく「会心の一撃」は、そんな葛葉と共に歌う卯月コウ、そしてローレンや不破からも醸し出されている少年性を捉えるのにふさわしかったと思う。

 アンコールとしてこの日のソロイベントを締めたのは、12月15日に公開した「GLAMOROUS SKY」だ。代わり映えない毎日に退屈してしまう心と、そこから抜け出そうという願いが交差したこの曲もまた、毎日のように継続している配信活動を思い出せばとても似合って聴こえる。

 ここで歌われる「君」「2人」とは、葛葉と葛葉を慕うリスナー・ファンに他ならないだろう。数年ぶりとなるソロイベントの最後に、葛葉とリスナーとの間で新たな約束が結ばれたのだ。

 また、この日のガーデン&カフェステージでも注目のアクト・イベントが目白押しだったことを忘れてはいけない。

 NIJISANJI KR出身ライバーとして初めての3Dビジュアルお披露目となったヤン ナリと神田笑一によるかみなり、4人揃ってのダンスを大勢の人の前で初披露したVOLTACTION、ハイパフォーマンスなボーカル&ダンスを披露したアイドル好き女性ライバー6人・"チームIDD ~アイドルダンス同好会~"が揃っていた「にじさんじ Dance Live」を皮切りに、『MUSIC GARDEN Day2』ではこれまでたびたび活動する姿を見せていた解散GIGが新曲を発表し、にじさんじ吹奏楽部がボカロ楽曲やクリスマスソングメドレーを披露するなど、さまざまなアクトが会場の注目を一手に集めていた。

 他イベントの取材があったため筆者は見ることが叶わなかったが、「七次元生徒会 ~お悩み解決出張編~」「元2期生 統一テスト」「ロリコでポン~にじフェス2023出張版~ Powered by 雀魂」などもかなりの人数を集めていたはず。

 これは筆者の目算ではあるが、数千人以上のにじさんじファンが各ステージを見守り、声援と拍手を送っていた。その姿はYouTubeでの公式放送からも伺い知れるはずだ。

ガーデン&カフェステージ Day2公式放送【#にじフェス2023_Day2】

 多彩なイベント・グッズ販売・アトラクションが盛り沢山だった『にじさんじフェス2023』。1日だけではその全てを味わうことは到底できないほどの圧倒的なボリュームが、このイベントのコアであり、もっとも大きなインパクトだった。

 なにか不思議な距離感でカメラを向けてなにかを撮影しているひとがいるな? と思えば、じつはそこはARフォトスポットだった……という具合に、会場の至る所で仕掛けられていたさまざまな工夫に驚いた来場者も多かったはず。このような調子で、自分の目端だけでは追い切れないレベルで東京ビッグサイトの隅々に「にじさんじ」が行き届いていたのだ。

 来年以降もまた、より創意工夫を凝らし、とてつもない物量をファンに届けてくれるのだろう。現在のにじさんじが、いかに充実のときを過ごしているかを十全に知らしめるイベントであった。

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