M-1準優勝コンビ・ヤーレンズが見せる“オタクの一面” YouTubeチャンネルに注目
『M-1グランプリ2023』で結成13年目にして初の決勝進出を果たし、準優勝という結果を収めたヤーレンズ。息もつかせぬ超高速なテンポで無軌道に繰り出される楢原真樹のボケと、そのすべてを的確に捌く正確無比な出井隼之介のツッコミからなる漫才はお茶の間に衝撃を与えた。
その実力は芸人やお笑いファンの間では誰もが認めるところだが、今大会で初めて彼らを知った人もいるかもしれない。そんな人にぜひおすすめしたいのがYouTube「ヤーレンズオフィシャルチャンネル」だ。
メインとなっているコンテンツはもちろん漫才。4年前から定期的にライブ映像などがアップされている。元々彼らは、雑談しながらネタが進んでいく自由なスタイルを得意とするコンビだ。M-1グランプリの漫才しか知らない人たちにとって、投稿されている漫才はかなり新鮮に映ることだろう。合わせて、楢原真樹の特徴でもある頭頂部をツンと立てた、元イングランド代表のサッカー選手デビット・ベッカムを模した「ベッカムヘア」になるまでの変遷をたどることもできる。
また、楢原は芸人界でも屈指の“ポケモンガチ勢”として名を馳せている。2023年11月に行われたポケモンのネタナンバーワンを決める大会『ポケ-1グランプリ』でも、ポケモンファンがヨダレを垂らすほどの小ネタを散りばめた見事な漫才を披露し会場を大いに盛り上げていたのが記憶に新しいが、最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』まで、実況プレイ動画をアップし続けている。
図鑑完成までやりこむのはもちろん、通信対戦となるランクバトルにも精力的に参戦しており、カイリューやオーロンゲなどといった使用率トップクラスのポケモンたちに紛れて「イシヘンジン」というシングルバトルでは誰も使っていないマイナー中のマイナーポケモンをパーティに連れ、最高位であるマスターボール級を目指そうとするなど、その変態ぶりが随所に滲み出ている。
動画1本につき1時間ほどの長さとなっているのだが、漫才中とまったく変わらない軽快なトークと強すぎるポケモン愛で、観るものをまったく飽きさせないものになっている。
一方、出井は大の格闘技ファンとして知られている。その熱量は自身のメディアプラットフォーム『note』でも往年のレジェント格闘家についての記事を何千文字も執筆するほどだ。そんな彼の愛が爆発している動画「出井が選ぶ!今押さえておくべき現役MMAファイター3選【ヤーレンズ】」が非常に面白い。
「フランシス・ガヌー」「ハビブ・ヌルマゴメドフ」「マーク・ハント」という格闘技ファン以外にはまったく伝わらないであろう選手たちを、巧みな話術でもって彼らの強さだけでなく人間的な魅力まで、余すことなく伝えてくれる。「話半分で聴いてこう」と言いながらも、楢原の絶妙な相槌も相まって抜群の聴き心地だった。将来、挌闘技イベントのゲスト解説などの仕事も確実に増えていくことだろう。
またお笑いファンにぜひおすすめしたい動画が、4ヶ月前にアップされた「"コントの虎"ジグザグジギーと動物園に行ってきた①」だ。
これは『キングオブコント2023』決勝進出者のジグザグジギーとともに開催しているツーマンライブ『コントの虎、才の狼』の幕間で使用した映像で、4人で多摩動物公園に行き実際に虎と狼を見て、本当にそれぞれがコントの虎であり漫才の狼なのかを確認しに行くというもの。入園したのっけから「腹減った」「タバコ吸いたい」と虎や狼どころか誰も研ぎ澄まされていないおじさん4人の“素”すぎるやりとりが不思議な魅力を放っていた。
先日放送された『芸人シンパイニュース』(テレビ朝日)でも、出井が楢原に女性を紹介した際、後日その女性から「あんなヤバい人なかなかいない。もう解散した方がいい」と衝撃のエピソードを披露するなど、掘れば掘るほど面白さが溢れ出てくるコンビ・ヤーレンズ。優勝した令和ロマンとともに、バラエティでも大ブレイクはすることは間違いない。
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