ファッションのフロンティアは“バーチャル”で花開く――『Virtual Fashion Collection “Voyage” 2023 Winter.』レポート

リアル、ファンタジー、コンセプチュアル――あらゆる装いが歩くランウェイ

撮影=ecochin

 イベント本番の紹介に移ろう。『Voyage』はファッションショーだが、最初にオープニングアクトとして、ソーシャルVRを中心に活躍するアーティストがパフォーマンスを披露するのが恒例となっている。

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 今回出演したのは「PHAZE」。ボーカル・Vivi、キーボード・Shell、ベース/トラックメイカー・Dizのスリーピースで構成されたVRバンドで、豊かな表現力とステージ上の抜群なパフォーマンスで人気を博すユニットだ。プレゼントボックスから登場するという季節感ある演出も相まって、冬のイベントにふさわしい幕開けを飾っていった。

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 オープニングアクトを経て、ファッションショー本編に移る。『Voyage 2023 Winter』の出展ショップは合計10つ。現実のファッションに近しいものはもちろん、今回はコンセプチュアルなもの、ファンタジーなものまで、幅広いジャンルがランウェイを歩いた。

 このファッションショーの大きな特徴は、特殊な操作技術を身に着けたアクターによる、移動モーションではない「歩く姿」が見られることだ。人間の生の動きと、空間を丸ごと使う華美な演出が、バーチャルファッションを鮮やかに彩っている。

撮影=ecochin

 一番手の「fille dé finir.」からは、「星」をイメージに据えたコレクション「Stellaria」が登場した。可憐なミニドレス『Stellaria:Noir』は綺羅星のようなリングが、白無垢のようなシルエットの 『Stellaria:Blanc』は惑星軌道のようなリングが身体を囲む、コンセプチュアルなデザインだ。

Photo by TATAMI

 巨大なリングを纏うという奇抜なデザインは、バーチャルの世界でもなかなかめずらしく、海外のコレクションにあっても不思議でないベクトルだ。先陣のインパクトとして、これ以上にないものをと放つ装いから、『Voyage 2023 Winter』は幕を開けた。

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 続く「HB_Shop」からはロングドレス『Gala Glam』がランウェイを歩いた。足元までたなびく外套に、金色の装飾やハイヒールが添えられた、優雅でラグジュアリーなドレスだ。

撮影=TATAMI

 クールな青と、包容力を感じる赤の2カラーがラインナップし、装いたいイメージに合わせて色を選択できるのもうれしいところだ。

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 直後、『Gala Glam』と大きくイメージを違えるアイテム『Chill Charm』が登場した。

撮影=TATAMI

 胸元を大きく開けたミニドレスと、足元まで伸びるレイヤードファーコートに、脚のラインをセクシーに描くサイハイブーツ。黒を基調とした、大人の女性の美しさとかっこよさを演出する大人のコーディネートだ。

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