「マリオパーティ」生誕25周年 定番ゲームが挑んだ“試行錯誤の歴史”とは

「マリオパーティ」が挑んだ“試行錯誤の歴史”

 任天堂の「マリオパーティ」シリーズが2023年12月18日、生誕25周年を迎えた。

『マリオパーティ』(NINTENDO 64 Nintendo Switch Online)

 「マリオパーティ」と言えば、NINTENDO64用ソフト『マリオパーティ』に端を発する人気シリーズだ。2023年12月現在までに、ナンバリングタイトルだけで10作品、スピンオフタイトルも含めると20作品近いラインナップを誇っており、任天堂においてもとりわけ息の長いロングセラーシリーズとして知られている。

 任天堂が今年9月に公開した主要タイトル販売実績を見ると、Nintendo Switch用ソフト『スーパー マリオパーティ』を1966万本売り上げたと記載されている(世界市場)。これはあくまでも単体タイトルの数値であり、従来のシリーズタイトルを含めればその規模感はさらに大きくなるはずだ。

スーパー マリオパーティ 紹介映像

 四半世紀の歴史を紡いできた任天堂の「マリオパーティ」。同シリーズはすでに定番タイトルとして確固たる地位を築き、現在はNintendo Switchのオンライン機能で気軽に対人戦が楽しめるようになった。しかし過去作品を思い返すと、実はさまざまな側面で試行錯誤の成果が見受けられたのだ。

 今回は、NINTENDO64時代から同シリーズに触れてきた筆者の所感を交えつつ、歴代の「マリオパーティ」で見られた興味深い試みをピックアップして振り返る。

バトルロイヤルだけじゃない。タイマン勝負から8人対戦まで実現

 一度でも「マリオパーティ」をプレイしたことがあるなら、同作品の本質が25年前からほとんど変わっていないことに気がついているのではないだろうか。基本的には「参加プレイヤーがターンごとにサイコロを振る」→「サイコロの目に応じてマップを進む」→「止まったマスで発生するイベントに従う」……といった流れで、ターン終了時に各プレイヤーがミニゲームに挑戦する。早い話、「マリオパーティ」はボードゲーム+ミニゲームという構成で作品を重ねてきたのだ(一部の例外を除く)。

任天堂公式サイトより
任天堂公式サイトより

 そうしたボードゲームに参加可能なプレイヤーは、第一作目の時点で最大4名と定められてきた。しかし、シリーズの早い段階で4名のプレイヤーが争うバトルロイヤル形式だけではない試みが取り入れられていた。

 たとえば『マリオパーティ3』では、1対1のタイマン勝負をメインに据えた「デュエルマップ」が実装されている。本モードでは、各プレイヤーがノコノコやクリボーなどの「おたすけキャラ」(おたキャラ)を“雇用”し、コインを手渡して仲間に迎え入れる。そしてプレイヤーは雇ったおたキャラと力を合わせ、相手プレイヤーの体力を削り切ることができれば勝利となる(体力の増減はおたキャラ同士のバトルに左右される)。このデュエルマップは形を変えて後続シリーズにも登場しており、ゲームキューブ用ソフト『マリオパーティ5』では、プレイヤー同士がカスタムしたマシンに乗り込んで戦う「スーパーデュエルモード」として大胆な変化を遂げた。

 また、最大プレイヤー人数は変わらないながらも、2対2で挑む「タッグマッチ」が『マリオパーティ4』から実装されている。こちらは獲得コインやスター(最重要アイテム)の所持数、ミニゲームの勝敗などを共有しつつ、パートナーと共に勝利を目指すゲームモードだ。こちらもデュエルと同様、マイナーチェンジを繰り返しながらシリーズのレギュラー要素として親しまれたと言ってよいだろう。

マリオパーティ7 公式サイトより
マリオパーティ7 公式サイトより

 そして極めつけと言えるのが、『マリオパーティ7』にて備わった「4チームバトル」。同モードでは最大8名のプレイヤーが参加でき、”1つのゲームキューブ用コントローラーを2人でシェアする”遊び方が提唱された。要は左側がコントロールスティックとLトリガー、右側がCスティックとRトリガーの操作を担当するわけだ。「それで遊べるの?」と思うかもしれないが、同作品は8人プレイ用ミニゲームにくわえてUIも最適化されており、4人プレイ以上の賑やかさを味わうことができた。

「マリオパーティ」の歴史はミニゲームにあり。20年近く経っても衰えない”マイクゲーム”のインパクト

 「マリオパーティ」を形作るミニゲームの変更点についても触れておきたい。同シリーズは4対4・2対2・1対3と編成が異なるミニゲームが各作品ごとに数多く収録されている。そのいずれもが数十秒ほどで決着がつくカジュアルなゲームながらも、ジャンプアクション・レース・パズル……等々、バラエティに富んでいるのが特徴だ。

 このようなミニゲームは「マリオパーティ」シリーズの目玉コンテンツとして機能していただけでなく、プラットフォームの移行や周辺機器の登場により、さらにバリエーションが豊かになっていった。NINTENDO64やゲームキューブのころはスティック+ボタン操作だったものが、『マリオパーティDS』や『マリオパーティ8』になり、タッチ操作だったりWiiリモコンといった直感的な操作で楽しめるミニゲームが大量に登場したのだ。

マリオパーティ6 公式サイトより
マリオパーティ6 公式サイトより

 個人的な思い出をベースに語るなら、『マリオパーティ6』から『マリオパーティ7』まで収録されていた「マイクミニゲーム」が印象深い。

 その名のとおりソフト同梱の「ゲームキューブマイク」を用いて遊ぶミニゲームで、プレイヤー自身が発した言葉によってゲーム内のキャラクターたちを操作するというもの。“声で操る”というアクションが加わったことで、従来シリーズで見られたミニゲームもプレイフィールがガラッと変わったことを覚えている。ゲームキューブ時代の2作品にしか収録されていないものの、“自分の声でマリオたちが動く”というインパクトは20年近く経ったいまもなお色褪せない。

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