「病院の待ち時間が長いのはなぜ?」現役看護師のコントで学ぶ“病院との付き合い方”

 看護師の日常を伝える「看護師の日勤を極めて忠実に再現してみた【リアル】」では、医療系ドラマでもよく目にする申し送りや検温をはじめとした、1日の仕事内容が描かれている。シーンによって補足の説明が字幕で入っており、医療に詳しくない視聴者にもわかりやすいよう工夫されている。他部署や医師への連携で思うことなど、看護師の本音も盛り込まれているが、なかでも感じるのは人手不足について。次々と回ってくる仕事量に驚きを隠せないこの動画だが、同業者からは共感の声が多く寄せられている。

看護師の日勤を極めて忠実に再現してみた【リアル】

 これまでに公開された動画のなかには、6年目のころの給料を明かす動画がある。市民病院と大学病院、地方と都心の病院の給料の差に言及し、一般病棟で働く当時の給与は年収500万円ほどと明かしている。もちろん夜勤手当や残業代などのルールは病院によってさまざまで、転職によりアップダウンはあるようだが、よっぽどのことがなければ食いっぱぐれることはないというメリットもあるという。ふたりからは「お金がすべてじゃない」という言葉は出ている一方、肉体労働であることや昇給率が低いことから、長く続けるのが難しい職業であることが懸念点となっていることもうかがえる。

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 前述したように、多くの看護師に共通するエピソードや病院に関する知識をおもしろく伝えてくれるナスメンチャンネルだが、なぜこのようなコンテンツをつくるようになったのか。今回取り上げた動画からは、病院や医療に関する疑問に答え、視聴者に正しく病院を利用してほしいという視聴者への思いのほか、人手不足や賃金といった看護師の労働環境の改善を訴えるという側面がうかがえる。看護師や医療の世界を目指す学生には、将来の職場のリアルを伝えることで理想と現実のギャップを予防し、早期離職を防ぎたいという思いも感じ取れる。

 YouTubeではナスメンチャンネル以外にも、病院で10年の勤務経験がある芸人「天才ピアニスト」をはじめ、看護師や看護学生のリアルを伝えるチャンネルは複数存在する。とくに看護師のリアルを再現したあるある動画は、看護師をはじめ医療関係者からの共感がたびたび話題となり、あちこちで取り上げられている。しかし、ナスメンチャンネルのような病院を利用する側の視聴者に、看護師や病院との付き合い方を楽しく教えてくれるコンテンツは意外と少ないのが現状だ。ナスメンチャンネルの動画は同業者による共感のみならず、多くの視聴者から看護師、病院への関心を引き出すひとつのきっかけとして、注目を集めているようだ。

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