14年ぶり最新作に見た「1000回遊べるRPG」の真髄 『風来のシレン6』先行プレイレポート

 スパイク・チュンソフトは10月某日、2024年1月25日発売予定のNintendo Switch用ソフト『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』(以下、風来のシレン6)に関するメディアハンズオンを実施した。

Nintendo Switch『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』アナウンストレーラー

 スーパーファミコンの時代から続く人気シリーズ「風来のシレン」(以下、シレン)。その14年ぶりとなるナンバリング最新作『風来のシレン6』では、新たな冒険の舞台「とぐろ島」にて、主人公「シレン」と相棒「コッパ」の旅路が描かれる。

 今回はメディアハンズオンのプレイレポートを踏まえつつ、『風来のシレン6』の特徴、現段階で判明している仕様についてご紹介する。

「1000回遊べるRPG」の伝統を踏襲した『風来のシレン6』

 『風来のシレン6』についてお話する前に、まずは「シレン」シリーズの基本情報と筆者のプレイ遍歴をお伝えしておきたい。

 同シリーズは「1000回遊べるRPG」というキャッチフレーズを掲げ、1995年12月にスーパーファミコン用ソフトとして誕生。「挑戦するたびにダンジョンの構造が変わる」「倒れた時点で成長段階や所持品を没収されてやり直し」といった原則は据え置きに、家庭用ゲーム機・携帯ゲーム機・携帯電話・PC……など、各種プラットフォームで幅広く作品を展開され、やりこみがいのあるプレイフィールと何度倒れても遊びたくなるシステムで、約28年にわたって数多くのファンを獲得している。

 そんな「シレン」シリーズと筆者が出会ったのは小学生のころだった。2006年12月に発売されたニンテンドーDS用ソフト『風来のシレンDS』(以下、シレンDS)を手に取り、攻略本を片手に熱心に遊んだ思い出がある。

 ただし同シリーズとしっかり向き合ったのは『シレンDS』が最初で最後と言うべきか、そのほかの作品は序盤を少しプレイしたり名前だけ知っているといったレベル。なので「シレン」シリーズを遊ぶのは久々だったわけだが、そんなシレン初心者である筆者が『風来のシレン6』を触って感じたのは、過去作品からしっかりと受け継がれてきたであろう“シリーズの伝統”だ。

 本作はとぐろ島と呼ばれる内海の拠点が舞台となり、シレンとコッパは夢のお告げに導かれて新天地を訪れる。島内にはさまざまな場所に財宝が隠されており、そのお宝を手に入れんと意気込む冒険者をはじめ、島で暮らす住民に修験者、そして欲に駆られた海賊など、いろいろな人間たちで賑わっている状況だ。シレン(と彼を操るプレイヤー)も例に漏れず、巨大な怪物の腹に眠るとされる財宝を求め、とぐろ島の踏破に挑む。その過程でとぐろ島にまつわる伝説の真相が明かされたり、個性豊かなキャラクターたちとの交流が描かれていく。

 今回のメディアハンズオンで遊べたのは、メインシナリオの「とぐろ島」ダンジョンで、最序盤エリア「そぞろヶ浦(1F)」から「火吹山山頂(20F)」まで。毎回のスタート地点となる島民の集落を後にし、1フロアずつ踏みしめながら攻略を進めていった。

 先ほど「シリーズの伝統が感じられた」と述べた通り、『風来のシレン6』は従来のシリーズ作品においてもオーソドックスな部類に入ると思われる。なぜならば、筆者のような「シレン」シリーズを久々に遊んだ初心者でも、プレイし始めてすぐに“風来のシレンの根本的な魅力”を味わうことができたからだ。

 新フロアを訪れるたびに道具類をくまなく集め、状況を鑑みながらモンスターを倒してレベリング。その場で武器を振ってモンスターとの位置関係を調整する。運良く出口がすぐに見つかってテンポよく到達地点を一気に更新する……等々、同シリーズでプレイヤーが何度も体験するであろう醍醐味(もしくはピンチ)は本作でも健在。そのうえで、3Dモデル中心に移行したグラフィック周りが、2Dデザイン主体だった前作と比べて新鮮に感じられた。

 前作『不思議のダンジョン 風来のシレン5plus フォーチュンタワーと運命のダイス』から実装された「ライブ探索表示」は、プレイ時間・装備品の強化段階・ステータス・持ち物など、あらゆる情報を画面内へ集約できる大変便利な機能。これと合わせてチュートリアルや用語ガイドも充実しており、前提知識がほとんどない状態でも、限られた試遊時間でダンジョン攻略を存分に楽しむことができた。

 もちろんシリーズ経験者や、数々の作品をやり込んできたシレンジャー(シレンファンの通称)であれば本作に対する印象が違うかもしれない。しかし筆者は少なくとも、メディアハンズオンで遊べた範囲内において、『風来のシレン6』は同シリーズが積み上げてきたゲームシステムを踏襲しつつ、初心者から上級者まで楽しめるバランス調整が施されているように感じた次第だ。

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