人気YouTuberたちの渋谷ハロウィン事情 トレンドは「仮装」から「社会貢献」の時代へ?

 毎年10月になると、決まって話題になる“渋谷ハロウィン”。これまでYouTuberたちは渋谷ハロウィンでどのような企画を実施してきたのだろうか。今回は、過去に投稿された人気YouTuberたちの渋谷ハロウィン動画から、時代とともに変わりゆく企画やメッセージを分析する。

 2016年にヒカキンが投稿した「渋谷のハロウィンに突撃してみたらスゴすぎたw」は、ヒカキン、マスオ、PDSの3人が絵本「ウォーリーをさがせ!」のコスプレを披露。自身を「引きこもり系YouTuberの代表」と表現したヒカキンは、大混雑の渋谷駅前のハチ公広場やファッションビル109の周辺を歩きながら、視聴者や仮装を楽しむ人びととの写真撮影に応じていた。この当時の渋谷ハロウィーンはたしかに混雑はしているものの、ここ最近の様子よりは落ち着いていた模様。3人は短い時間ながらも、「行ってよかった」と、渋谷のハロウィンを楽しんだようだ。

 2年後の2018年には、コムドットが渋谷ハロウィンに出没。「【渋谷ハロウィン】知名度調査なんか二度とやらない」と題した動画で、ドラキュラ姿のやまとと猫に扮したゆうたが、当時YouTubeをはじめて間もないグループの認知度調査を行った。今ならすぐに囲まれてしまうであろうふたりだが、道ゆく人びと65組に「コムドットっていうんですけど、知ってますか」と訪ねて返ってくる言葉は「知らない」「今日初めて知りました」という寂しい答え。それもそのはず、まだこのときのチャンネル登録者数は250人と、駆け出し中も駆け出しだったのだ。最後は寒さに耐えかね、やまとが送り込んだ後輩が視聴者のふりをし、握手と写真撮影をして終了。多くの人びとが集まる渋谷ハロウィーンらしい企画となっている。

渋谷のハロウィンに突撃してみたらスゴすぎたw

 2018年には交通系YouTuber・スーツも渋谷のハロウィンに参戦。「【売名ゴミ拾い】ハロウィンの渋谷を掃除するクズの映像」では、今ではハロウィーン後によく見られるようになったゴミ拾いをする姿が写されている。「渋谷にきれいになってほしいとか、楽しいハロウィーンよとかはまったくない」と話すスーツがゴミ拾いをする理由は、「知名度をあげるため」。もちろんこの発言は冗談だろうが、当時20歳のスーツが、道に落ちている無数の缶をひとりで拾っていく。拾ってもまた道端に缶が捨てられていく状況に、「もう勝てないよ」と嘆きながらも、3時間ほどで20袋分ほどの空き缶を拾い集めたようだ

 そして、かつて水溜まりボンドのチャンネルメンバーであった「Pさん」は、コロナ禍後とあって大きな盛り上がりを見せた2022年の渋谷ハロウィンで、ニンテンドー3DSの「すれちがい通信」機能をつった検証を行なっている。3DS本体を持った人と繋がれるか検証するため、ゴミ拾いをしながら渋谷を歩きまわるPさん。すれちがい通信ができた人数は「ゼロ」という残念な結果だったが、ほかのYouTuberとはまったく異なる企画で、視聴者を楽しませていた。

【売名ゴミ拾い】ハロウィンの渋谷を掃除するクズの映像
【検証】2022年に3DSで「すれちがい通信」したら何人?

 かつてはYouTuberたちも渋谷に集まる多くの人同様、仮装を楽しんでいた渋谷ハロウィン。多くの人が集まるからこそできる「認知度調査」などはまさに、渋谷ハロウィンならではの企画だった。しかしここ数年、渋谷ハロウィンでゴミのポイ捨てや路上飲酒、軽トラをひっくり返すといった行動が問題視されているとあって、YouTuberたちもゴミ拾いなど社会貢献に繋がる企画を行なっていることがわかる。ゴミ拾いをしながらオリジナル企画を同時に行なっているPさんのようなYouTuberはまだ稀だが、YouTuberたちの渋谷ハロウィンは、社会貢献をしながら自身も楽しむ企画へと進化していきそうだ。

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