にじさんじ・東堂コハクが魅せ続ける特異性 輝くダンスと歌、そして圧倒的“陽キャ”ぶり
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。
育成プロジェクトである「バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)」からも新規ライバーがデビューし始めており、現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与え始めている。
ここ2週間にわたって当連載では「世怜音(せれいね)女学院演劇同好会」4人のメンバーについて触れてきた。西園チグサ、北小路ヒスイに続いて、今回は東堂コハクについて触れていこうと思う。
お嬢様のようなルックスと、リスナーも驚くほどに“飽き性な陽キャ”ぶり
薄黄色の髪色に腰までなびくロングヘアー、緑色を差し色にした世怜音女学院の制服と相まって、学校で生徒会長を務めるお嬢様のような空気を漂わせる。が、その実「それでさぁ?」「あのさぁ?」と気軽で飾らない口調とテンションでリスナーに話しかけ、気楽な空気を広げてくれるのが東堂コハクなのだ。
そのフレンドリーさについては実際に彼女と会った同僚ライバーたちからさまざまなエピソードが明かされており、実際に会って話した先輩らからは「無邪気で妹みたい」「陽の者」と評されている。
現在彼女と活動をともにすることの多い山神カルタは、自身がたまたま持っていたバッグに東堂が興味を持ち、後日購入、「お揃いにできた」とうれしそうに報告してきたエピソードを明かし、「すでにその時点でカワイイ。コハちゃんは何やったってかわいい」と口にするほど。
同期である周央サンゴ、北小路ヒスイ、西園チグサも折に触れて「ご飯を一緒に食べに行ったとき可愛かった」「東堂コハクは可愛い」とおもわず一言漏れ出るようなエピソードを語ってきた。リスナーはライバーたちが語る“可愛らしさ”をそのまま感じ取るのは少し難しいが、無邪気で明るく振る舞う雰囲気は配信の節々からでも十二分に感じられるはずだ。
そんな彼女だが、ときには少しばかりおバカなエピソード・言動を生み出すこともあるようだ。
2021年12月、趣味のテニスをしにコートでプレイしていた際、溝に足を引っ掛けて転んでしまい、その拍子で全治三週間の骨折を負ってしまったことがある。母親に青紫に変色した指を見せて「今日転んじゃったの~」とあっけらかんと報告したところ、当然のように心配されたことで、ようやく“事の重大さ”に気付いた……というエピソードは、彼女の素がどんな人物であるかを感じられるはず。
しかもこの時、リスナーに報告している彼女は大笑いしながら“骨折した手で拍手している”うえに、その後医者に対して「骨折してるけどテニスしていいですか?」と尋ねたという。東堂コハクのあっけらかんとした素性が見えてくるだろう。
これにくわえて、周央サンゴとのコラボ配信でホラーゲームをプレイした際には怖がりすぎて本当に泣いてしまったり、ゲームプレイ中にはさまざまな暴言にオヤジギャグを見せたりと、その屈託のない明るさや無邪気さは彼女のファンであればよく知るところだ。
そんな彼女の大きなウィークポイントとして挙げられるのが、飽き性であること。「自分の性格は~」と自己評価するときは誰であれ大抵当てはまらないことが多いが、彼女の自称する“飽き性”な性格は「まさにその通り」とうなずかずにいられない。
VTuberとしてゲーム配信をすることは当然あるわけだが、彼女はこれまでストーリーを軸にしたゲームを基本的にプレイすることがなかった。2023年8月16日に『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』をクリアしているが、約4年にわたる配信活動のなかで、そのとき初めてストーリーモノのゲームを全てクリアしたほどだ。
ストーリーにはいりこむ前や、ハマったり得意になる前に飽きてしまうことが多く、それは彼女の配信アーカイブを覗いてみれば伝わるはずだ。
そんな彼女にも得意なゲームがある。「スプラトゥーン」シリーズだ。同作の2作目からプレイしており、にじさんじ内でも比較的上位のスキルをもつプレイヤーとして腕をならしている。
先日開催された『にじスプラDREAMMATCH』にも春崎エアル、桜凛月、五十嵐梨花らとともにチーム「~桜琥春嵐~」として出場し、見事2位に輝いた。
大会直前に何度かあった練習配信を見ると、ゲーム企画・大会の出場には縁遠かった彼女が普段と変わらぬ無邪気さを見せながらも奮闘していたのが印象的だ。