“そこら辺の雑草”から1か月かけて麦わら帽子をつくるものづくり系VTuberが話題に

雑草から麦わら帽子をつくるVTuberが話題

 いま、VTuberの「ヘアピンまみれ」の根性企画が密かに注目を集めている。今回は、身近なもので信じられないものをつくり出すYouTubeチャンネルのおもしろさを解説する。

 前髪と上着の襟元につけたたくさんのヘアピンが特徴的なVTuber・ヘアピンまみれ。生物に詳しく、ものづくりの才能に長けているヘアピンまみれは、個性を活かした企画で視聴者を魅了、チャンネル登録者数6.64万人とまだ小さなチャンネルながら、注目を集めているクリエイターだ(2023年10月18日時点)。

雑草で古代のエジプトの紙「パピルス」を作る!【根性再び】

 2023年10月11日に投稿された動画でヘアピンまみれは、雑草のセイバンモロコシから古代の紙「パピルス紙」をつくる様子を披露。集めたセイバンモロコシから中身の髄を取り出すために3時間を要し、髄を柔らかくするために丸1日、その後、成形作業と乾燥作業を行っている。ここまでですでに2日間が経過しているのだが、乾燥させるためには成形したパピルスをプレスする必要があり、完全に乾燥させるまでにさらに2日間が経過。

 トータル4日間かけて作ったパピルスは「のり一滴も使ってない」にも関わらず、しっかりと髄同士がくっつき、引っ張っても破れない、丈夫な紙に仕上がっている。この作業を見て途方に暮れる視聴者もいるだろうが、本人いわく、「いつも私がつくっているものに比べたら、今回のは比較的つくりやすい」というから驚きだ。

【夏】雑草で麦わら帽子作ってみた【セイバンモロコシ】

 また、2023年8月13日にはパピルス紙の材料となったセイバンモロコシを使って、麦わら帽子をつくる動画を公開している。こちらも材料であるセイバンモロコシの調達からスタート。茎の取り出し、太さの選別、髄をかき出すこと12時間、さらに茎をふやかすために一晩かかっている。

 そこから真田(さなだ)という組み紐を組むわけだが、直径37センチ、高さ10センチの帽子をつくるにあたって必要な真田は14メートル。材料の再調達2回を含め、14メートルの真田を完成させるのに要したのはなんと1週間。その後は5日間、真田を手縫いで縫い進め、ようやく麦わら帽子が完成したのだが、実際には初日から完成までは1か月が経っていた模様。ヘアピンまみれは、「クソ大変だった」という感想を残している。

 ちなみに、これらの大変すぎる企画についてヘアピンまみれは、“根性企画”と表現しており、いかに根気強さが必要だったのかが伝わってくる。視聴者もその大変さとクオリティの高さに圧倒されており、どんなに動画の投稿間隔があこうが、もはや不満を言うものはいない。ヘアピンまみれの発言と作業の様子から垣間見れる知的さも相まって、視聴者の満足度が相当高いことも読み取れる。

 雑草などを使って驚くべきものをつくる動画は、身近なものが材料となるとあって幅広い視聴者が注目をそそぐコンテンツだ。とくにヘアピンまみれの想像を超える発想と作業工程、クオリティの高さは、YouTube界のなかでも随一。”その辺のもの”を使った動画は、普段は目を向けないものが大変身する発想と根気が見どころといえるだろう。

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