東海オンエアとコラボ 粘土で実寸大のポケモンをつくるYouTuber・ねんどよしりんが語る“矛盾しない作品作り”
まるで本当に現実に存在しているかのような実寸大のポケモンを粘土によって制作する、YouTubeクリエイター・ねんどよしりん。
その作品の可愛らしい表情と、愛くるしいポージングが人気を呼び、はじめしゃちょーや東海オンエア、フィッシャーズなどトップYouTuberとのコラボも実現している。
今回は大注目のクリエイター・ねんどよしりん氏にYouTubeを始めたきっかけや制作の裏側などについて話を聞いた。
人生を変えたのは「オーロラビームが撃てるシェルダー」
ーーねんどよしりんさんが、粘土作品を作り始めたきっかけを教えてください。
ねんどよしりん:粘土でなにかを作ることは、昔からの趣味だったんです。社会人になってから時間を持て余していたこともあり、本格的に打ち込み始めたのが始まりですね。そのころからポケモンを題材にして粘土作品を作るようになったんですけど、それまでは、趣味で『ジョジョの奇妙な冒険』のキャラクターなども作っていました。
ーー趣味からクリエイターの道へと進む決断をしたきっかけは、なんだったのでしょうか?
ねんどよしりん:シェルダーの動画がバズったのがきっかけですね。実は過去にも一度だけ動画を投稿したことがあったんですけど、そのときは全然反応がなくて、1年くらいYouTubeからは離れていたんです。
ただ、その時にコロナ禍の巣篭もり需要から、周りのクリエイターなども多くYouTubeに参入し始めており、「じゃあ、もう一度やってみようかな」と。シェルダーのバズりで手応えを感じて、YouTube活動を続けることに決めました。
実用的な作品でもポケモンのタイプと矛盾する機能は付けない
ーーねんどよしりんさんの作品へのこだわりを教えてください。
ねんどよしりん:日常に溶け込む表情やポージングにすることを意識しています。たとえばポージングだと、公式などで見るようなポーズを作るのではなくて、自分たちの生活に彼らがいたら、きっとこんな姿や表情をしているんじゃないかっていうことを考えながら設計しています。
ーーあくまで“自然な姿”になるよう、意識しているんですね。
ねんどよしりん:そうですね。ミジュマルを制作したときは、まずは本物のラッコを観察するために水族館に行きました。ミジュマルって立ち姿のイメージがあると思うんですけど、実際のラッコを見ると、水の上で寝そべっているポーズをキープしていました。正直なところ、この寝そべっているポーズってすごく置きにくいんですけど、リアルさを追求してこのポージングに決めました。
ーーねんどよしりんさんの作品は、充電器やライトなどの実用的な装置も組み合わせて作られているものもありますが、いつから作品に実用的な機能を搭載させようと考えたのでしょうか?
ねんどよしりん:作品を作り始めたころから、「機能付き実寸大ポケモン」を作ることは、コンセプトとして決めていたんです。1番最初に制作したロトム図鑑は、実際にタブレットケースになるように制作しています。
取り付ける機能を考えるときは、ポケモンの本来のタイプに合わせて自然なものを組み合わせることを意識しています。たとえば、ピカチュウやピチューなどの電気タイプのポケモンが充電ができる力を持っているのは自然だと思うのですが、イーブイのようなノーマルポケモンがそんな力を持っていたら不自然ですよね?
ーーたしかに、本来のポケモンのタイプとは矛盾していますね。
ねんどよしりん:その矛盾をしたくないな、と思っていて。これはポージングと表情にも共通していることなのですが、あくまで作品は“自然な姿”にしたいんです。
ーーその“自然さ”こそが、作品にリアリティを出させているのですね。ちなみに、制作するポケモンは、どのようにして選択しているのでしょうか。
ねんどよしりん:作るポケモンを決めるときは、これまで制作したポケモンとのつながりを意識しています。単発で制作して、その子だけがいままで制作した子たちの中で孤立しないようにしますね。いままで制作したポケモンたちと一緒に動画に出演させて、映えるような並びになるようにしています。あとは、動画で反応をいただけそうなものを選んでいますね。本当はもっとマイナーなポケモンを作りたいのですが、それはYouTuberとしてもう少し力がついたら、挑戦しようと思います(笑)。
ーー動画投稿を始めたころから、制作面での変化はありましたか?
ねんどよしりん:制作期間をどれだけ短くできるかについては、かなり研究しました。YouTubeをする上で動画の投稿頻度はとても重要だと考えていて、投稿頻度を上げるには、作品を早く完成させなければいけないんです。昔は1ヶ月に1体のペースで制作をしていましたが、今は2週間で1体を制作できるくらいまでは早くなりましたね。
乾燥の工程が時間配分としてはかなり大きいです。そのため、パーツを乾燥させるのに食器乾燥機を使用しているのですが、乾燥機は24時間フル稼働しています。今度は作品のクオリティを下げないようにしつつ、工程を工夫して動画投稿の頻度を上げていきたいです。