関優太、スタンミら“日本発”ストリーマーの企画は「予測不可能」 Twitchコンテンツ責任者が語る、ゲーム配信業界と日本市場

重視する日本での存在感 SHAKAらの存在には「とても感謝」

――いまお話にも出ましたが、ここ数年の日本マーケットの成長をどのように見ているのでしょうか?

Lee:ゲームのルーツでもありますし、日本で大きな存在感を築くことは重要だと思って取り組んできました。そのなかでも、私たちとしてはただ存在感を出すだけではなく、非常に意味のある存在にならなければならないと思っていたので、ジャパンのチームを作り、マーケットをしっかり理解している社員を集めて、日本での展開をしてきました。成長戦略として意味で多大な、いろいろな投資をしてきましたが、その成果もあって、昨年はおかげさまで視聴率が50%以上伸びました。また、配信時間数も全体として50%以上増加しています。こうした数字は大きな成功の表れだと思いますし、こうした大きなトレンドのなかでゲーム配信もそれ以外の配信も増えていることも見て取れます。私たちとしては強気に戦略を進めていき、ぜひ投資を継続していきたいと考えております。

――関優太(元StylishNoob)さん、SHAKAさんなど、日本初の大物ストリーマーもTwitchで育ちました。彼らのようなストリーマーは、Twitchにとってどのような存在なのでしょうか。

Lee:まず、私たちはクリエイターのみなさまに非常に感謝をしています。そのなかでも特に確立されたクリエイターでいらっしゃる関優太さん、SHAKAさんには、とても感謝しているんです。ご存じかとは思いますが、SHAKAさんはアジア太平洋地域で初めて、そしてもちろん日本でも初めて、「Esports Awards Streamer of the Year」にノミネートされました。私たちとしてもとてもうれしく思っています。彼はキャリアを主にTwitchで築き上げてこられたので、私たちも微力ながらお手伝いができたかなと思っております。

 クリエイターのみなさまがいらっしゃらなければ、私たちも日本での成長を継続的に行うことは不可能です。これからもいろいろなストリーマーの方に投資して、サポートしていきたいと思っています。そのなかで、これから伸びてくる方もサポートしていきたい。そして、一緒に市場として拡大していければと思っています。

――ゲームと配信の親和性の高さについて、どのように考えていらっしゃいますか?

Lee:ゲームと配信はとても相性が良く、相乗効果があるものだと思っています。だからこそ、いまわれわれは大きく成長することができたのでしょう。ライブ配信によってゲームはさらに盛り上がりますし、そのなかでクリエイターのみなさんがイノベーションを起こせるようなツールを提供していくことが、私たちの責務だと思っています。一方で、数年前からTwitchでも雑談の場を提供するようになりました。もちろんゲームも大事ですが、ゲーマーのみなさんにはいろいろな発信したいものがあるんです。彼らが自分たちのコミュニティーとトークショーができるように、雑談の機能を提供しました。

 私たちのチームはクリエイターの方がコンテンツを作るサポートをすることが仕事ですが、スタンミさんのサッカーや、梅原大吾さんのリアリティショーのような企画は非常にすばらしいと思っています。梅原さんはいろいろなクリエイターに対して、「あなたの夢はなんですか」「あなたの夢、かなえましょう」という企画をしています。ゲーマーでない方も惹き付けて、みなさんが一緒になって盛り上がっている。正しいツールを提供すれば、クリエイターのみなさんにはとてもエネルギーがあり、とても可能性があるんだと実感させられました。そして、最もすばらしいのは、まったくもって予測不可能なことです。梅原さんのあんな企画が出てくるなんて思いもしませんでしたし、だからこそとても面白い。そういったストリーマーのみなさんの挑戦を、私たちはお手伝いしていきたいと思っています。

――関優太さんは睡眠中もずっと配信するという企画を一時期、やっていましたね。

Lee:まさに。そんなの予測不可能ですよね(笑)。

――それでは、Twitchの今後の戦略や展望について、可能な範囲で教えてください。

Lee:私たちが戦略として掲げているのは、ストリーマーのために革新的なことを提供していくということです。特に私の責任範囲であるコンテンツという視点で言いますと、Twitchを礎に成長していきたいストリーマーのみなさんを、よりサポートしていきたいと思っています。6月に発表した「パートナープラスプログラム」を考案したきっかけは、ストリーマーやコミュニティの皆さんがTwitchを足がかりにして成長していくなかで、いろいろな方法でインセンティブを提供したいと思ったことです。全体としては、より多くのストリーマーのみなさんを、もっと大規模に助けられないか、サポートできないかということをいつも考えております。

――最後に日本のTwitchユーザーへのメッセージをお願いします。

Lee:ぜひ、Twitchを視聴し続けてほしいなと思います。そして、いつもご参加、ご視聴ありがとうございます。まだまだいろいろなことに取り組んでいきますので、これからもぜひよろしくお願いします。

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