話題の中学生YouTuber・ちょんまげ小僧はなぜ登録者100万人を突破できたのか? 随所に垣間見る“デジタルネイティブの強み”

 2023年8月21日、中学生YouTuberグループ「ちょんまげ小僧」がチャンネル登録者数100万人を突破した。チャンネルが乱立するYouTube戦国時代のなか、なぜ彼らは短期間で100万人という大台を突破できたのか。今回は、ちょんまげ小僧の魅力を分析してみたい。

【速報】チャンネル登録者数100万人突破!!

 ちょんまげ小僧は、ちょんまげ小僧、ナマズ、パンダ、イソ・ギンチャク、右足、ひき肉からなる6人組YouTuberグループ。メンバー全員が中学生という、超次世代クリエイターだ。チャンネル開設は2022年12月と、まだ活動開始から1年も経たないなか、8月21日にチャンネル登録者数100万人を突破。感情を爆発させ飛び跳ねて喜ぶ姿が、多くの視聴者の心を惹きつけた。

 そんな現役中学生たちが作る動画はいったいどのようなものなのか。チャンネル上で確認できる動画の内容は、激ムズひっかけクイズや検証動画などで、作りこまれた企画というよりも彼らの“素の姿”を写しているものばかり。全員ギャグセンスが異様に高く、このギャグセンスを用いたあいさつに、一部では「ちょんまげ小僧は挨拶で伸びた」という声も上がったこともあった。

【耐久】ちょちょちょんまげどうもちょんまげ小僧です!!

 しかし彼らはその声を逆手にとった「あいさつ耐久動画」を投稿するなど、ずば抜けた企画力も発揮。コンテンツはどれをとっても彼らと同世代の視聴者をはじめ、幅広い視聴者が爆笑必至のものが揃っているわけだが、地元の友人たちで結成されている“わちゃわちゃ感”も、彼らを紹介するうえで外せない特徴のひとつ。この雰囲気はどこか初期のフィッシャーズを彷彿とさせるものがあり、懐かしさを感じる視聴者もいるのではないだろうか。

 これまでに投稿された動画に書き込まれたコメントをみてみると、明るく、全力で企画を楽しむ姿や、メンバーたちの個性に釘付けになる視聴者が続出していることがわかる。とくに大人の視聴者からは、彼らの中学生らしい無邪気さに微笑ましさを感じ、親心を抱く者が多い模様。大人たちは楽しそうな彼らを見て、ただただ「応援したい」という気持ちが込み上げてくるようだ。

 特筆すべきは、編集力に驚く視聴者が実に多いこと。ちょんまげ小僧の動画の編集はメンバー・ナマズが担当しており、短尺だと2分程度、そのほかのものは10分以内と、ほかのYouTuberの動画に比べると短いものがほとんど。だが、サムネイルのクオリティの高さを含め、この短い動画1本でも視聴後の満足度はかなり高いことが読み取れる。

 個々のキャラクターが際立つ6人が出演する動画には、メンバーたちがマイペースに発言する様子が収められていることが多い。ナマズはそのシーンにテロップや画像で的確なツッコミを入れ、BGMで視聴者の感情を揺さぶっているのだ。誰でも楽しめるシンプルな企画に、それぞれの強烈な個性と見せ場をしっかりと盛り込んだ丁寧な編集は、これまでさまざまなエンタメ系YouTuberを見てきた視聴者をも驚かせるほど、センスのよさが光っている。飽和状態のYouTubeで6人が支持された理由には、のびのびとした無邪気な彼らの姿と、その個性を存分に活かした編集にあると考えられるのだ。

 彗星のごとく現れたちょんまげ小僧はまだ中学生ということもあり、今後の伸びしろは未知数。しかし彼らの活躍を見た同世代のなかには、後を追ってYouTubeに参入する者が出てくることが予想されており、ちょんまげ小僧が次世代を引っ張る存在になることは間違いないだろう。“次世代のFischer's”とも捉えられるちょんまげ小僧が今後、どのようなYouTubeドリームを見せてくれるのか。子どもから大人までをも魅了する才能をもつ彼らの成長が楽しみだ。

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