教育系YouTuber「ヨビノリ」が登録者100万人を突破 “文系も笑える理系ネタ”を突き詰める魅力

 2023年6月19日、YouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』を運営するヨビノリたくみが「100万人登録達成までを振り返る【Telescope】」という動画を投稿した。

100万人登録達成までを振り返る【Telescope】

 ヨビノリたくみは、数学や物理を中心に解説する勉強系YouTubrである。勉強系YouTuberは多く、レッドオーシャンの印象だ。予備校の講師の経験を活かして、YouTube活動を始めた彼が、なぜ登録者数100万人を達成できたのか。今回は、今までのヨビノリたくみの歩みを振り返りながら、その魅力について分析していく。

中学数学からはじめる相対性理論

 まずは、ヨビノリたくみの真髄である授業スタイルの動画から見ていく。数々の勉強解説動画を投稿しているヨビノリたくみだが、中でも“大型授業シリーズ”は人気である。同シリーズの特徴は、生徒もインフルエンサーであるということだ。上記の動画では、生徒の面々には「はなおとでんがん」や「QuizKnock」など、知識に長けたクリエイターが並んでいる。視聴者は相対性理論を理解するという目的で動画を見ているが、生徒がクリエイターという要素は動画を視聴する目的に付随し、より動画に興味を持たせるスパイスとなっている。

 勉強解説系の動画は、テーマについて理解してもらうことを目的としているため、画面には黒板と解説している講師のみが映し出されていることが多い。だが、生徒が知識豊富なクリエイターであることによって、視聴者はどのような掛け合いが生まれたり、博識な人ならではの鋭い質問が飛び交うことを期待するのだ。

 また、ヨビノリたくみのチャンネルは、授業の進め方も魅力の1つである。まず、最初に相対性理論を学ぶメリットと、それを理解すると何が起こるのかについてを提示する。そして、今回の授業では難しい公式などは使わないと約束し、生徒のモチベーションを上げてから本題に入る。このように、授業の冒頭で学ぶことのメリットを伝えるというスタイルは、よく学生時代に掲げる疑問でもある「どうして勉強をしなければいけないのか」という問いに対しての解答にもなっているのではないだろうか。ヨビノリたくみの授業は、単にテーマについて理解するだけではなく、学ぶことの本来の楽しさだったり、物事の考え方の視野を広げてくれたりするのだ。

理系霜降り明星【研究室生活】

 また、ヨビノリたくみは、お笑いのネタにうまく物理や数学を絡めたネタ系動画も投稿している。こちらの「理系霜降り明星【研究室生活】」は、霜降り明星のコントのパロディ動画となっており、コントの中にほどよく理系ネタが散りばめられている。ネタの完成度に加えて、一人二役を演じて撮影してもコントのテンポ感に違和感を感じない編集技術の高さに、視聴者も驚いている様子だ。ネタ系の動画は理系文系関係なく楽しめる内容になっており、ヨビノリたくみの間口を広げてくれる存在として、人気シリーズの1つとなっている。

 ほかの勉強系YouTuberに比べて、一線を画す人気で登録者数100万人を突破したヨビノリたくみ。これからも物理と数学の世界を間口を広げ、学ぶことの楽しさを教えてくれるだろう。

教育系YouTuber「ヨビノリ」 その魅力は授業動画以外にも?

多くの人が高校生のとき、理系クラスに入るか、文系クラスに入るか悩んだのではないだろうか。その際理系は「難しそう」といったイメージ…

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