ママタルトがテレビでは見せない“ドロっとした一面” 放送作家と語る『ラジ母』3年間の歩み
お笑いラジオアプリ「GERA」。数ある地上波ラジオや音声配信アプリの中でも珍しい、お笑い芸人に特化したラジオアプリとして2019年に始まり、終了した番組を含めれば100組を超える芸人が登場してきた。
番組の入れ替わりが激しい中で、今年で4年目に突入した人気番組がある。サンミュージック所属のお笑いコンビ・ママタルトによる『ママタルトのラジオ母ちゃん』(通称、『ラジ母』)だ。
ママタルトは、俳優の大鶴義丹に似ている顔と180kgの巨体を持つ大鶴肥満、学生時代から芸人として高い評価を得てきた檜原洋平のコンビ。大鶴肥満については、オズワルド伊藤らとルームシェアをしていた芸人として認識している人もいるだろう。もしくは「まーごめ」という言葉だけをご存じの方もいるかもしれない。
『ラジ母』が始まった頃、彼らはまだ世の中に広く認知された存在ではなく、アルバイトをしながらお笑いライブの舞台に立つ日々だった。しかし近年は『M-1グランプリ』や『キングオブコント』などの賞レースでも結果を残し、世間から広く注目を集め、テレビや雑誌といった各メディアでの露出が急増している。
そんな彼らにいち早く目をつけた放送作家・エレファントかさ増しと、ママタルトのふたりに、これまでのママタルトと『ラジ母』の歩みについて詳しく聞いた。
『ラジ母』幻の1本目には裏方がいない
――『ママタルトのラジオ母ちゃん』が始まった頃のことを振り返ると、ママタルトとしてはどんな時期でしたか?
檜原洋平(以下、檜原):コロナ禍真っ只中のときに始まったので、当時はライブもできなくて、外に出る用事といえばアルバイトに行くくらい。そんな状況でラジオをやらせてもらえることになったのは、かなり最高でしたね。
大鶴肥満(以下、肥満):それがまさかこんなに長く続いて、多くの人たちに聴いてもらえる番組になるとは夢にも思いませんでした。本当にありがたい話です。でも実は、最初に録った音源が配信されていなくて。
エレファントかさ増し(以下、エレかさ):当時は作家もディレクターもいない状態でのふたりのおしゃべりだったから、内容がふわふわしていたのが原因じゃないかなと思います。当時は僕もいなかったから、詳しいことはわからないんですけど。
檜原:なるほどね。
エレかさ:幻の1本目は、YouTubeに1本だけ上がってる『ママタルトのエキサイティングステーション』みたいな雰囲気がありました。
――それからエレかささんはどのようにチームに合流されたのでしょうか。
エレかさ:構成を意識すれば絶対に面白いラジオになるはずだと思っていたので、GERAのスタッフさんに「僕も入って、チームで改めて収録させてください」とお願いしました。
――そもそもなぜママタルトのおふたりとラジオをやりたいと思ったんですか?
エレかさ:放送作家としてライブの手伝いをし始めたころにママタルトに出会って、そのころから面白いことは知っていたんです。ふたりの会話が世に出たら絶対に人気になると確信していました。だから、チャンスさえあればラジオを一緒にやりたかったんです。