ハンバーガー片手に本音を吐き出す「生理前爆食動画」 女性YouTuberの王道企画となった理由を探る
現在のYouTubeでは、ある程度安定して再生数をつくれる「定番企画」というものが固定化されつつある。たとえば、朝起きてから家を出るまでの準備の様子を映した「GRWM」、特定の店舗で1万円分の商品を食べまくる「一万円企画」、瞬発的に質問に答えることによって人柄が出る「100の質問」など……。そのなかで今回注目したいのが「生理前爆食」だ。
生理前爆食動画は、「むくえなちっく。」「エミリンチャンネル」「くれいじーまぐねっと」など、人気の女性クリエイターが定期的に投稿している。なぜ、生理前爆食動画は繰り返し投稿しても再生されるのだろうか。この疑問について分析をしていく。
生理前爆食動画が人気コンテンツになっている理由は、女性視聴者による“圧倒的共感”と、“爆食の先にある本音トーク”の2つが要因になっていると考える。
まず“圧倒的共感”の要素から分析していく。生理の症状には人によって個人差があるものの、動画には大多数の女性が共感するポイントが散りばめられている。たとえば、食べ物のラインナップ。生理前〜生理中は体がエネルギーを補填しようとするため、脂質や糖質を欲するようになる。そのため、上記の動画のエミリンのようにマクドナルドなどといったジャンクフードを爆食してしまうところは、共感ポイントだ。動画でもエミリンは「生理前は体に悪い油のものを食べたくなる」と発言している。本能の赴くままに食欲を満たす姿に、女性の視聴者は共感するのだ。
また、普段ダイエットや食事制限を行っている女性クリエイターが爆食をしている様子は、視聴者からすると少し安心感がある。日ごろ見た目に気を配っているクリエイターでも、生理前になると爆食をしてしまう。だから自分も生理前くらいは食欲を解放してもいいのではないかと、爆食姿を見て少し自分を許してあげることができるのではないか。