総勢16名の豪華アーティストに粗品、のんも集結 世界初の旗艦店『FENDER FLAGSHIP TOKYO オープン記念セレモニー』徹底レポート
“すべてのアーティストに翼を授ける”にふさわしい、まさに旗艦店としてあるべき姿
本イベントでは実際にB1~3Fの4フロアすべてを先行で内覧できる機会が設けられた。
B1フロアは初心者でも手に取りやすいアコースティックギター/ウクレレ/次世代ギター“アコスタソニック”を取り揃えたアコースティック特化のフロアで、音楽好きに向けたイベントなどを開催できるイベントスペースにもなっている。
また、カリフォルニアの人気ライフスタイルコーヒーブランド「VERVE COFFEE ROASTERS」監修のフェンダー初のオリジナルカフェ「FENDER CAFE powered by VERVE COFFEE ROASTERS」が併設されている。タンブラーなども販売されており、こちらもファンなら気になる品だろう。ちなみに、こちらのアイシングクッキーはオープン日のみ・100個限定とのこと。販売なのか配布なのか聞きそびれてしまったのだが、ぜひ常時販売してほしい可愛さだ……。
もちろん、一般的な楽器店同様に展示されている各種ギターは実際に触ることができ、アイランド型に用意されたソファに腰掛けて試奏が可能だ。ギターケアサービスのコーナーもあり、リペアやメンテナンスなどを依頼できる模様。
1Fは新製品や注目アイテム(ギター/ベース製品や、アーティストシグネイチャーモデル等)や、旗艦店のみ販売のオリジナルグッズ(ウェアやキャップなどのライフスタイルアイテム等)、旗艦店オープンと同時にローンチする新アパレルブランド『F IS FOR FENDER』商品がラインナップ。
豆知識だが、このフロアの照明や展示什器の形は少し変わった形をしている。“ギターマニア”の方であればすぐに気付くかもしれないが、じつはこれはFenderの定番・ストラトキャスターのボディ形状を模したもの。さらに、壁材や什器の一部にはボディに使われるアッシュ材を使用しているとのこと。細かいところまでしっかりと“Fender色”に染め上げているところからも、世界初の旗艦店に対するフェンダー社の本気度合いがうかがえる。
気になるアパレルラインの『F IS FOR FENDER』はシンプルながらも上品に音楽・楽器のカルチャーを取り入れており、なかなか良さげなデザインだ。ハイエンドと紹介されたように、価格帯はTシャツで1万円〜1万5千円ほどと少しお高め。無論、トップクラスのハイブランドと比べればお手頃ではあるし、そもそもブランド力を高めるための展開であること、高品質を掲げた少数ロット・国内生産品であること、そして場所柄を踏まえれば妥当なラインだろう。
2Fは人気の高いアメリカ製と日本製を中心としたエレキギター/ベース製品、種類豊富なアンプ製品、特設防音の“Fender Amp Room”が勢揃いしたフロア。気になるギター/ベースを、お好みのフェンダーアンプを使用して大音量で試奏可能だという。
筆者が気になったのはこちらの『MADE IN JAPAN JUNIOR COLLECTION』。担当者いわく広告展開こそパステルカラーでポップに仕上げ、子供向けのようなデザインにはなっているが、その裏には「Fが押さえられなくてやめた」という理由から楽器を辞めてしまう人や、手の大きさに悩むプレイヤーにも手に取ってもらいたいという思いがあるとのこと。
カラー展開には定番のサンバーストカラーなどもあり、筆者は手が大きいほうではあるがこのサイズ感は弾きやすさもあり、重量も軽いので選択肢として魅力的だと感じた。
それから、同フロアには防音室だけでなく『Mustang Micro』が備えられたソファも用意されている。一般的な楽器店では、他の人が試奏している間は待つか、不協和音に耐えながら音色や弾き心地を確認する必要があるが、ここでは『Mustang Micro』と広々としたソファでじっくりと試奏ができる。
筆者は以前、他メーカーの担当者から「若い人がDTMに流れてしまい、いわゆるバンドマンの人口が減ってしまっているのを感じる」という言葉を聞いたことがある。それは各アーティストのコメントからも読み取れるだろう。しかし、こうしたラグジュアリーな体験をもたらす取り組みが成功を収めれば、音楽産業における一筋の光明となりうるのではないだろうか。
このフロアに限らず、店舗内のあちこちにはシグネチャーモデルも展示されている。山内総一郎やMIYAVIらが語ったように、若い世代の音楽好きが『FENDER FLAGSHIP TOKYO』を訪れ、そうした「憧れ」の象徴を見て、楽器に触れることで、「将来のロックスター」が生まれゆく場となることに期待したい。