エリー・コニファーは何度でも蘇る 復活の年を迎えた“にじさんじのサイレン女王”の魅力に迫る
現在のVTuberシーンにおけるトップランナーの一つであるにじさんじ。そのなかにおいてもタレントの活躍する分野は日々拡がっている。
メインとなる生配信に加え、事務所が主導する企画への参加や監修、主に一人ひとりのライバーが主導となって進む歌ってみたなどの動画のほか、ここ数年ほどはエンターテインメントのフィールドでアーティストとして日の目を見る者も増加してきた。
育成プロジェクト・バーチャル・タレント・アカデミー(VTA)から多くのメンバーもデビューしており、現在約150名のメンバーが所属・活動しているにじさんじ。その層の厚さで今後も大きな影響を与えるだろう。
今回紹介するのは、以前紹介したラトナ・プティ、天宮こころと同時期にデビューしたエリー・コニファーだ。2019年8月8日に初ツイート、8月13日に初配信を迎え、無事にデビューを果たした彼女は、独特の雰囲気・空気感を漂わせるライバーとして注目されてきた。
えっと…
こちらで合っていますでしょうか…?お初にお目にかかります、
エリー・コニファーと申します。たくさんの方々にフォローしていただき感激です…!
ありがとうございます。
これから宜しくお願い致します!ディナーの準備がございますので、また後ほど時間を作ってこちらに伺いますね。 pic.twitter.com/Rxp55rRUOR
— エリー・コニファー🌲 (@Eli_Conifer) August 8, 2019
頭には水色のヘッドドレス、濃淡で違いのある青色に白色も合わさったメイド服、所々にあしらった花飾り、明るい茶色の髪をおさげにし、水色の瞳でこちらを見やる姿は、幼げながらも爽やかな印象を受ける。
そんなビジュアルにくわえ、ハイトーンな声色と非常に丁寧な言葉遣いをするために、「礼儀正しさ」「清楚さ」といった一面においてはシスター・クレアと並ぶほどに印象深い人物だろう。
相手が先輩であれば「様」「先輩」、後輩であれば「さん」と必ず丁寧に呼びかける。相手に対する思い入れがあれば「先生」「お姉さま」などと、特別な呼び方をすることもあり、常に自分を一歩引いた立ち位置に置いて相手を尊重するタイプだ。この謙虚さはにじさんじのなかでも、いやVTuber~バーチャルタレントシーンを見回しても際立つ。
同期の天宮こころが“龍の巫女”、ラトナ・プティが“レッサーパンダの冒険家”であるように、エリー・コニファーは“花の妖精”としてデビューを飾った。ルックスや声色、雰囲気にくわえてなにより3人のバックグラウンドがファンタジー色にあふれたものであることも特徴的。
3人が揃うと、それぞれが「ふわふわ」「ぽわぽわ」「まったり」としたムードになりがちなところが由来となり、「ぽさんけ」と称されるトリオでもある。デビューした直後の2019年10月29日にはラトナ・プティの自宅にお泊まりをする様子を配信しており、初々しい3人の姿を知ることができる。
エリーは丁寧“すぎる”とまで感じるほどの礼儀正しい口調で配信を進めるだけでなく、自身の配信内で使う“オリジナルワード”が多数あるのも特徴的だ。たとえば「スーパーチャット」のことを「スパティー(スーパーチャット→スパチャ→スパ茶と転じた言葉)」と呼び、配信をおこなうためのネット環境を「妖精通信」、エリー自身が働く「お屋敷」、ほかにも「りんご印の魔法盤(iPadのこと)」などもある。
メイド業に勤しみ、パーラーメイド(接客を担当するメイド)として紅茶などを給仕する立場であるため、関連する用語・言葉を口走ることも多い。西洋の紅茶や洋菓子に詳しいだけでなく、自身の配信画面も西洋風に仕上がっており、雑談のBGMにクラシック楽曲を使っているのも特徴的だ。
その言葉遣い・振る舞いからは正統派メイドのムードを漂わせ、西欧的な印象をリスナーに与えるエリー・コニファーは、他のVTuberと一線を画す存在だ。極めつけに、彼女はデビュー以前からフルートを嗜んでいることも語っている。折を見てその演奏を披露してきており、彼女のルックスや振る舞いと演奏も相まって“優雅”という一言が口をついて出てくるだろう。