『Amanda The Adventurer』の流行に見る、“配信者向きのゲーム” 物語が曖昧なほど盛り上がるリスナーとの考察
ギミックだけでなく「明かされない謎」がリスナーと配信者の架け橋になる?
筆者が調べたところ、日本のVTuberで初めて『Amanda the Adventurer』をプレイしたのは「人生つみこ」氏のようだ。ゲームが発売された4月26日当日のライブ配信でプレイしている。
大手事務所に目を向ければ、にじさんじのなかでも徐々に配信が増加。5月9日に不破湊が、5月11日にフレン・E・ルスタリオがそれぞれ配信して以降、国内外合わせて31人のメンバーが配信している。
これまで30人以上のメンバーが配信してきたが、2時間から3時間ほどのプレイでエンディングにたどり着く者が多く、謎解きギミックなどで頭にハテナを浮かべてしまいがちなライバーもいたようだが、リスナーからヒントをもらってクリアする者もおり、プレイの仕方は様々。
本作をプレイするライバーたちは唐突に驚かせてくるポイントで絶叫する、トリックが解けずにフラストレーションが溜まっている様子など様々な反応を見せ、配信におけるホラーゲームとの相性の良さを再確認させてくれるが、なにより配信者本人とリスナーを惹きつけるのは、考察しがいのあるストーリーだろう。
部屋のなかにあるギミックを解いていくと、ビデオが「誰によって、どのような意図で制作されたのか?」といった部分が徐々に明かされていく。しかし、肝心要の部分はかなり曖昧なニュアンスでのみ提示されるのだ。
また、ゲームのエンディングで語られるアマンダの言葉、途中で襲い掛かってくる謎の存在、そしてビデオのなかでかなり“良心的な存在”として描かれるウーリーの正体など、本当に気になる点はほとんど答えが明かされずにエンディングを迎える。そのため、「どういうこと?」と気になったプレイヤーは再度プレイし、謎について考察しながら楽しめるなど、曖昧さによって本作の魅力は倍増しているといえる。
数多くのライバーがプレイしている本作だが、にじさんじのライバーでおすすめを知りたければ、筆者は壱百満天原サロメを推す。『バイオハザード』などを度々プレイしてはいるものの、「ホラーゲームは苦手なんですの……」と以前から口にしていた彼女。ピンチになると叫び声をあげ、ギミックに若干唸りつつ考えを巡らせる姿には、彼女らしい愛らしさが滲んでいる。
時にはリスナーのコメントを頼って進めるだけでなく、先に述べたような「本作の謎」部分にも手を付けてリスナーとともに経緯を知ろうと試みる配信内容になっている。「プレイはせずともゲームの内容を楽しみたい!」という方がいれば、彼女の配信を覗いてみてはいかがだろうか。