地方のマッチングアプリでは“ドライブデート”が鉄板に? ペアーズ×三重県桑名市連携事業がスタート

ペアーズ×三重県桑名市連携事業がスタート

 昨年、国内最大級のマッチングアプリ「Pairs(ペアーズ)」と三重県桑名市による「独身男女の出逢いの機会創出等に向けた連携協定」を締結した件について報じた(https://realsound.jp/tech/2022/11/post-1194424.html)が、同協定に基づく連携事業がこのほど5月22日より開始した。

 マッチングアプリと自治体による先進事例について、その取り組みに注目が集まるなか、去る2023年5月24日には、三重県を代表する観光スポットの「なばなの里」内になるベゴニアガーデンにて特別トークセッションが開催された。

 桑名市市長の伊藤徳宇氏、ペアーズを運営するエウレカのCEO・山本竜馬氏、ペアーズの会員向けに恋愛相談やアプリの上手な使い方を指南するPairsコンシェルジュが登壇し、連携協定における事業開始に対する思いや、今後の連携施策の予定について語る会となった。

桑名市との連携はマッチングアプリの次なる成長フェーズに

 冒頭では伊藤氏が、連携事業の概要について説明を行った。

 昨年11月に、結婚を希望する若い世代の出会いを支援し、社会課題となっている少子化の解決を目指すべく、ペアーズとの連携を図った三重県桑名市。

 2023年5月22日〜27日を、連携事業の強化週間に位置付け、主に3つのコンテンツを展開すると伊藤氏は話す。

 「まず1つ目は今日開催するトークセッション。桑名市が日本に誇る観光名所の『ナガシマリゾート なばなの里』で行うことができているのも、長島観光開発さまのご協力あってのことで、とても感謝している。2つ目は、桑名市民に向けて、Pairsコンシェルジュによるオンラインセミナーを実施すること。ペアーズで恋活・婚活を充実させるコツや、楽しく安全にお相手探しする方法についてレクチャーするセミナーになっている。

 3つ目は、イオンモール桑名に特設会場を設け、Pairsコンシェルジュが桑名市民の日頃抱える恋愛の悩みに応える『恋愛お悩み相談会』の開催と、充実した内容で強化週間を盛り上げていきたい」

 山本氏は「桑名市に強くご賛同いただき、今回こうしてご一緒できていることに、とても光栄に感じている」と述べ、本連携施策への意気込みをこのように語った。

 「ペアーズは累計2,000万人以上が利用するマッチングアプリとして認知され、これまでペアーズを通して恋人ができた人は70万人(ユーザーの申告でカウント)を突破している。こうしたなか、地方における出会い、恋愛を促進するためには“活動人口”を増やすことが重要であり、桑名市と連携協定を結んだことで、ペアーズの利用意向を高め、恋愛の機会を増やす一助になると考えている。

 これがひいては、全国への浸透につながるきっかけになると思うと、マッチングアプリが次の成長フェーズに入ったと捉えることができ、今後が非常に楽しみである」

ペアーズが恋愛の活動人口を増やし、人口減少の問題を解決する一助になる

 続いては桑名市市長とエウレカCEOによるトークセッションが行われた。

 「人口減少に立ち向かう」

 セッションの冒頭でこう述べた伊藤氏は、連携協定の目的や目指す姿をこう話す。

 「桑名市が抱える現状の課題として人口減少が挙げられる。特にコロナ禍では子供の生まれる数がどんどん減ってきており、少子化が急激に進んでいるような状況になっている。少子化の背景は調査している段階だが、ひとつ言えるのは出生数の減少と同じように、婚姻届の申請数も減少していて、概して未婚率の上昇が少子化の一因になっていると考えている」

 このような背景のなか、桑名市が公式LINEアカウントでマッチングアプリの認知度についてアンケートを取ったところ、実に8割の若者がマッチングアプリを知っており、「地方都市ゆえにもっと少ないと思ったが、予想以上の認知度だった」と伊藤氏は話す。

 「一方、行政主催の婚活パーティなどの認知度は非常に低く、アンケート結果で見えてきた若い世代の方の考えや気持ちに寄り添うためにも、マッチングアプリ最大手であるペアーズと組むことで、結婚願望のある男女の希望を叶えられるような取り組みにできるのではと期待を寄せている」

 山本氏は「今回の連携を通じて地方都市における出会いのデータを蓄積し、サービスのさらなるブラッシュアップに活かしていきたい」とコメントする。

 「多種多様な出会いの場があっても、今の世の中は出会うこと自体が少なくなっている。また、地方は都会と比べて、出会いの形態も異なってくるわけで、ペアーズが男女の出会いの場を提供し、恋愛促進の貢献につながるように桑名市と密に連携していきたい」

 桑名市とペアーズの双方が思う利点に関して、伊藤氏は「2つの観点がある」ことに言及した。

 「まずは市民に説明する際、マッチングアプリの中でも最も会員の母数がいるペアーズと組むこと自体が大きなメリットになると考えていた。また、マッチングアプリを利用するときの安全面が担保されているかどうか、という点についても一番対策を行っているのがペアーズだったため、それが安心材料になった」

 山本氏は「ペアーズは24時間365日で利用規約の違反を検知する仕組みなど、安全対策に力を入れている」としながら、「地方におけるサービスの貢献やあり方を考える上で、伊藤市長の新しいことへ挑戦する『気概』や『思い』に深く感銘を受けた」と話した。

 今後はどのような連携施策を検討しているのだろうか。

 「ペアーズで出会った独身男女の方々が、今日のような会場に最初のデートで来てもらうなど、ふたりの仲を深めるようなリアルの取り組みもやっていきたい。また、これは私が思い描く夢でもあるが、ペアーズを通して出会い、結婚して桑名市で生活を送る方に向けて、何か人生を支えるような仕組みがあればいいなと考えている。結婚生活支援としてお金を補助するなど、連携協定がきっかけで婚姻に至ったカップルに対し、桑名市としても応援できるような体制を将来的には作りたい」(伊藤氏)

 「ペアーズは出会いを提供するサービスであるがゆえ、出会ってからその後の人生において、どのくらい幸せな日々を歩まれたかまでは追いづらい。その一方で『ペアーズを使い、最愛の人に出会えて本当に良かった』と言ってもらえるためには、リアルライフの充実が大事であり、桑名市とともにリアル施策についても積極的に検討していきたい」(山本氏)

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