侍が突然動き出すドッキリ動画がYouTubeで話題 気遣いと愛があふれる姿勢が世界中を笑顔に

 5月1週目、YouTubeで侍が突然動くドッキリ動画に海外や日本人から大きな反響が寄せられた。通りすがりの人びとがターゲットになった侍のドッキリはなぜ高い評価を得ているのか、今回はその理由を紐解いてみたい。

 一見置き物に見える侍が急に動き出したら、ひとは一体どのような反応をするのか。そんなドッキリ動画を投稿している「SAMURAI PRANK」チャンネルが、いまYouTubeで注目を集めている。今年の3月下旬に開設されたこのチャンネルは、登録者数2.3万人を突破したまだ小さなチャンネルだ(5月10日時点)。どのような人物がチャンネルを運営しているかは明かされておらず、投稿されているのは話題になっているものと同じドッキリ動画のみにもかかわらず、100万回以上も再生されている動画もある。

 動画は「侍が突然動くドッキリ in 京都」 というタイトルが付けられており、甲冑姿の侍が外国人や学生の団体グループや日本人など、道ゆく観光客にドッキリを仕掛けていくというもの。人びとが興味を持って近づいてきたところを、侍がお辞儀をする、握手を求める、刀(木製のおもちゃ)を抜く仕草をするといった行動で驚かせているようだ。4月29日に公開された7本目の動画は、公開から10日目で約100万回再生を記録。単純明快なドッキリ動画にとても大きな関心が寄せられていることが、この再生回数からわかる。

 ドッキリを仕掛けられた通行人たちの反応はというと、想像の通り。驚きのあまり声をあげる、逃げ去っていく、びっくりして後退りするという反応を示している。しかし時には膝を曲げ子どもと目線を合わせる姿や、ギャルポーズで一緒に写真に収まるなど、ただのドッキリとは少し異なる部分も。ドッキリに引っかかってしまった子どもから大人までが人種を問わず笑顔や笑い声をあげ、お辞儀をしながら去っていくなど、なんとも平和な動画になっている。

 コメント欄をみると、国内、海外を含めた動画の視聴者から、誰もが笑顔になれる内容や相手の年齢や状況に応じた驚かし方に称賛の声が集まっており、高評価が殺到。コメントからも、ドッキリなのに「驚かせ過ぎない」という侍の気遣いや、「みんなが楽しそう」という点がこの動画の最大の魅力であることが読み取れる。

 この笑顔があふれるドッキリ動画の一方で、このような通りすがりの人物をターゲットにしたドッキリは、一歩間違えれば交通人を危険な目に合わせる可能性もある。実際、昨年11月には、アイドルの女性が道を歩いていた際に、マネキンのような姿をしたYouTuberらしき男性が突然目の前に現れたことで驚いて転倒、頭や右ひじを打ったという騒動が発生。驚かせた男性と撮影していた人物が謝罪もなく逃げていったこともあり、女性がSNSで怒りを露わにし、この騒動がネットニュースでも取り上げられたことは記憶に新しい。さらにYouTubeやテレビなどのドッキリ企画には一部不快なコンテンツも存在し、時折物議を醸すことがあるのは知っての通りだ。

 今回の侍ドッキリ動画は、国内外から多くの観光客が訪れる京都という場所柄、侍という姿を選んだと考えられるが、評価に値するのは「相手を重んじ笑顔にする」というドッキリの内容にある。動画の概要欄には「言葉は通じなくても、笑顔が世界を繋いでくれると信じています。」と記載されている通り、このドッキリシリーズがYouTubeで注目を集めたのには、「人種問わず人びとを笑顔にしたい」という愛にあふれた侍の姿勢に理由があるのではないだろうか。

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