ファンたちの熱い応援と支援が活動の鍵を握る? YouTuberたちがファンクラブを運営する理由

 3月1日、人気女性YouTuberグループ・ヘラヘラ三銃士がファンクラブのリニューアルサイトをオープン。先月にはYouTuberグループ・ばんばんざいがファンクラブを開設しており、YouTuberたちの間でファンクラブに関係する動きが活発になっている。今回はなぜYouTuberたちがファンクラブを開設するのか、その理由を考察してみたい。

皆様へ。大切な発表があります(ガチ)

 ヘラヘラ三銃士は、2021年8月にファンクラブの開設を発表。ファンクラブ会員には、限定イベントに参加できるほか、ライブのチケットが先行発売になる特典や会員限定の動画が視聴できる特典を進呈、エキストラ募集の案内などを送っているという。3月1日に動画を通して発表されたのは、このファンクラブサイトのリニューアル。ありしゃんいわく、以前のサイトよりも見やすくなったという。

3人から重大発表があります

 YouTuberのファンクラブといえば、今年2月に人気グループ・ばんばんざいもファンクラブの開設を発表。会員限定の映像やフォトギャラリー、年数回の生放送などに加え、会員のみが投稿できる「目安箱」に寄せられたリクエストにも随時応えていくとしている。料金は月額プラン550円と年額プラン6,600円のふたつ。年額プランに入れば、メンバーズカードがプレゼントされるなど特典が豪華になる。

 YouTuberの中では、長らくトップに君臨しているはじめしゃちょーや若年層から圧倒的人気を誇るコンビYouTuber・スカイピース、てんちむなどもファンクラブがある。スカイピースのファンクラブは、会員になるとライブチケットを優先予約できるほか、限定グッズが購入できる。てんちむに関しては私物などが当たるガチャが回せるといった特典があり、それぞれが工夫をしながら運営していることがわかる。

 YouTubeには「メンバーシップ」と呼ばれる視聴者が月額料金を払うことでクリエイターを支援できる制度がある。料金は90円〜12,000円で、チャンネルごとにメンバーシップ料金が異なる。メンバーシップに加入すると、メンバー限定の配信や動画、投稿を見られるほか、コメントやチャットで使用できるオリジナル絵文字が進呈されるものだ。YouTubeはこのメンバーシップ機能を2018年に発表。当時は「スポンサーシップ」と呼ばれていたメンバーシップだが、人気YouTuberたちが続々と開設し、今ではメンバーシップは視聴者にとって推し活の定番ツールとなっている。

 YouTubeにメンバーシップ制度があるにもかかわらず、なぜYouTuberたちはファンクラブを開設するのか。YouTubeのメンバーシップを有効にするには、「チャンネル登録者数1,000人以上」「チャンネルが YouTubeパートナープログラムに参加している」といった条件をクリアする必要がある。YouTubeで活動を始めて間もない動画クリエイターからすると、メンバーシップを開設するまでの道のりが若干遠い気がする。

 さらにこのメンバーシップ機能は、チャンネルがポリシー違反やガイドライン違反と疑われ一時停止モードになった場合、支払いも一時停止になるというルールもある。チャンネルが一時停止モードになっている間に一部のメンバーを失う可能性があるなど、当たり前のことながらチャンネルの状態とつねに連動しているのだ。

 YouTubeに関してはここ最近、動画クリエイターの増加に伴い、再生回数の伸び悩みや収益の低下の話が頻繁に聞かれるようになった。YouTubeでの激しい競争のなか、メンバーシップとは別にファンクラブを運営することで、より安定した収入を得られるほか、特典の内容次第ではファンからさらに熱い応援と支援を得られるといったメリットがあるのではないだろうか。

 YouTubeが主戦場となるYouTuberたちは、収入を得る手段としてもYouTubeは絶対に切り離せないプラットフォームだ。人気YouTuberたちは企業案件やアパレル、コスメのプロデュース、飲食店の経営などに挑戦し収入の柱を増やしているが、ファンクラブもその一環だと考えられる。ファンたちの熱い応援と強力な支援のもと、安定した活動を継続するために、今後もYouTuberたちのファンクラブ開設が増えていくかもしれない。

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