次世代SNSに必要な友だちは50人のみ? 話題のアプリ『Bondee』は爆発的な流行を生み出すか

 ソーシャルグラフにおいてのSNSの代表格ともいえるTwitterと比較してみよう。Twitterは興味のあるアカウントを(基本的には)最大5000までフォローできるし、フォローしていないアカウントのツイートを見ることもできる。Twitter上でもDMやリプライを通じてリアルタイムにコミュニケーションを取れるが、それ以外にもこれまでのツイートが蓄積されていることで、それをコンテンツとして楽しめる。

 一方、Bondeeではログインをしたタイミングで友人と同期コミュニケーションを取れない場合、楽しめる要素は少ない。アクティブな友人の数が少ない場合や友人のアップデートが数ない場合、非同期の友人から得られる情報は、前回ログインした時と状況が変わっておらず、部屋の模様替えといった一人遊びに終始することになる。友だちにならない限り、Bondeeを使いこなしているユーザーによるUGC(ユーザー生成コンテンツ)をアプリ内で楽しむこともできず、アプリ内でインフルエンサーも登場し得ない。現時点では「あつまれどうぶつの森」のような「やり込み要素」はないため、一人で何日も没頭できるというユーザーは少なそうだ。今後、ユーザーの増加や継続率の維持をするためには、リアルグラフの友人だからこそ取りたくなる親密なコミュニケーションの機能や、一人でやり込める機能が必要になるだろう。

 新たな「メタバースのアプリ」として紹介されることも多いが、筆者の観点ではメタバースとは呼び難い。現時点ではメタバースの定義は人や書籍によってさまざまだが、「オープンな世界で大人数が同時接続できる」点が要件に入ることが多い。メタバース候補として名前が挙がりやすい『Fortnite』や『Roblox』はまさに大人数が集える場として、コロナ禍のステイホーム期間にユーザーを集めた。現時点でBondee上で繋がれるのは50人に限られるため、立ち位置としてコミュニケーションアプリのLINEやMessengerに近いのではないだろうか。

 せっかく始めたBondee。アバターにもすでに愛着が湧いている。魅了的な機能を追加して、長く続いて欲しいものだ。

藤田ニコル、フワちゃんなど芸能人が続々投稿 「AIアバター」をバズらせた『SNOW』の戦略とは?

InstagramやTwitterなどのSNSでいま「AIアバター」が話題になっている。ARカメラアプリ『SNOW』の新機能であ…

関連記事