藤田ニコル、フワちゃんなど芸能人が続々投稿 「AIアバター」をバズらせた『SNOW』の戦略とは?

「AIアバター」をバズらせた『SNOW』の戦略とは?

 InstagramやTwitterなどのSNSでいま「AIアバター」が話題になっている。ARカメラアプリ『SNOW』の新機能であるこのエフェクトがなぜ人気になっているのだろうか。

 「AIアバター」はユーザーがアップロードしたセルフィー(自撮り写真)をAIが学習し、似た顔立ちのアバターを生成する『SNOW』の有料機能だ。10枚から20枚の写真をアップロードすると、最大で10種類の画風から240枚の画像が生成される。画風は水彩画、映画、アートポスターと多岐にわたる。K-POPのガールズグループ「aespa」が展開するメンバーのアバターに似た画風のアバターが手に入ることに魅力を感じているユーザーも多い。

 『SNOW』は韓国最大のインターネットサービス会社NAVERの子会社にあたるSNOW社が運営する韓国発のアプリだ。まずは韓国でリリースされた新機能は、非対面のコミュニケーションに慣れ親しんだMZ世代を惹きつけ、15日間で20万人以上のユーザーを集めた。

 新機能の海外展開の足がけとして、韓国の次にリリースされた国が、同アプリがすでに5000万以上ダウンロードされている日本だ。日本では1月5日のアップデートで追加され、芸能人も続々と新たな自分の姿を楽しんでいる。

 藤田ニコルは「流行りのAIアバター作ってみたらこれ。こーなりたいよ。笑笑」と仕上がりに満足な様子。夢眠ねむも「もう夢眠ねむさんはこの顔ってことにしてください。」とご満悦だ。本人にそっくりながら、少し抽象度が上がった美女のアバターが出来上がっている。

 一方で、フワちゃんは思ったほど盛れなかったのか「AIフィルターめっちゃ盛れるって言ったやつ出てこいよ!!!!!!600円も払ったのにふざけんなよ!!!!!!」と不服そうだ。最も少ないプランでも50枚のアバターが生成されるはずなので、あえて仕上がりが面白い画像を選択している可能性がある。とはいえ、他のユーザーが投稿する画像とは一線を画す個性的な出来だ。

 AIアバターの魅力は高性能のAIが本人の特徴をしっかりと捉えた上で、バリエーションが豊かなアレンジを可能とする点だ。さまざまなタッチの画像が生成されるが、どれも本人に似ている。SNSを多用するMZ世代にとって、アイコンなどの自己表現の場が多い。自分らしさがありながら、多様な自己表現ができるのが魅力だ。

 今後はSNSに加えて、「メタバース」が一般的になるにつれ、さらに自分自身を表現するアバターの重要性は増して行くことが考えられる。サービス間で横断して使える「可搬性」がポイントとなっていくだろう。

 「メタバース」と呼ばれるサービスとしてアジアを中心に世界で3億人以上のユーザーを集めるソーシャルアプリ『ZEPETO』も、アバターの可愛さが人気の理由だ。実はこの『ZEPETO』を運営するのもSNOW社だ。アバターに力を入れているのがわかる。

 同社は写真・動画編集アプリ『B612』にも「AIアバター」の機能を追加予定だ。今後は複数のアプリで、それぞれの国に合わせて同機能を展開する。今後も新しい自分に出会えるサービスが増えていきそうで、楽しみだ。

(画像=SNOWインスタグラムより)

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