ゲーミングスピーカー『Arena』発表会レポート SteelSeriesが目指す"カルチャーとの融合"を感じさせるDJパーティも

スティールシリーズ『Arena』発表会

 1月26日に東京・渋谷のホットドッグカフェ「BABY HOTDOG CAFE」で行われたSteelSeriesの新製品発表会。同社初のカテゴリとなる、ゲーミングスピーカー「Arena」シリーズのお披露目が行われたのだが、この日の発表会は、いわゆる"新製品発表会"とは少々雰囲気が異なった。

 第一部では、SteelSeriesのジャパンカントリーマネージャーを務める石井氏が登壇し、同社のオーディオ製品におけるこれまでの取り組みを振り返り、続けてゲーミングスピーカー「Arena」シリーズの紹介が行われた。同社は2016年の「Nova」シリーズ発売から、継続してオーディオ製品に注力してきており、昨年には『Arctis Nova Pro Wireless』と『Arctis Nova』シリーズを立て続けに発表した。なかでもフラッグシップモデルの『Arctis Nova Pro Wireless』は世界各国で200以上のアワードを受賞するなど、高い評価を得ている人気の製品だ。

 そして、そんなSteelSeriesが新たに挑戦するのはゲーミングスピーカーだ。この日発表となった「Arena」シリーズは全部で3モデル。フラッグシップモデルとなる『Arena 9』はゲーミングとしては世界初となる"リアル"5.1chスピーカー。フロントスピーカーとリアスピーカーがそれぞれ左右で2台づつに、センタースピーカーと6.5インチサブウーファーを加えた計6台のスピーカーによって、リッチなリスニング体験と没入感を実現する。

 『Arena 7』は2台のフロントスピーカーに6.5インチサブウーファーで構成される2.1chスピーカーだ。ウーファーによって深みのある低音を感じることができ、迫力感のあるサウンドを鳴らしてくれる。

 そして、エントリーモデルとして紹介された『Arena 3』は2chモデル。ウーファーが無い分、重低音の出力をカバーするために異なる設計がされており、単純な下位モデルとも言い難い。エントリーモデルというよりかは、省スペースを求めるユーザーに向けた"コンパクトモデル"と言い換えた方が筆者にはしっくり来た。

『Arena 3』

 続けて、石井氏から2023年の意気込みが語られた。同氏は「我々がなぜ、このホットドッグカフェで今日の発表会を行ったか、という僕らの想いをお話できればと思います。我々は今まで、世界初のマウスパッドやゲーミングデバイスなどを作ってきました。皆さんがおそらく体感しているように、eスポーツやゲーミング領域はこの2、3年ですごく伸びています。どうにかして、違う領域にもゲームのファンを作りたいし、文化を広めて新たなファンを創造していきたい、という気持ちがある。そこで、さまざまな文化との交わりというのを、僕ら日本法人のテーマとして掲げて、2023年活動していこうと考えています」

 石井氏によるスピーチを終え、その後の第二部からはジュースやアルコール、ホットドッグが振る舞われ、リラックスした雰囲気のパーティが始まった。筆者も『Arena』先行視聴の順番を待ちながら「BABY HOTDOG CAFE」名物のホットドッグを楽しんできたが、印象深かったのは、DJ・Ren Yokoiが『Arena』のライティングに照らされながらターンテーブルを回す姿だ。スライドに「SteelSeries × CULTURE」という言葉を映しながら石井氏が語った、「2023年にSteelSeriesが目指す姿」を象徴するようでもあった。

 先行体験の順番が来たので、早速『Arena 9』を視聴してみたところ、見慣れたSteelSeriesのロゴや光るライティングなどでしっかりと"ゲーミングスピーカー"である主張がされていながら、その設計思想からは同社がオーディオ領域に向ける真剣な姿勢が伺えた。基本的に『Arena 9』のスピーカーはフラットな音作りがされており、同社が提供するイコライジングソフトウェア『Sonar』を使用して好みに合わせた音作りが可能なのだ。

 やみくもに低音を強く押し出して「迫力感」を謳うのではなく、それぞれのユーザーが遊ぶタイトル、あるいは視聴するコンテンツに合わせて最適な環境に調整が効く設計は、筆者としてはとても良いポイントだと感じる。さらに、それでいて、『Sonar』には人気のゲームタイトルにあらかじめ最適化されたセッティングが収録されているので、イコライジングに詳しくないユーザーでも安心して使用できるというのも、ゲーミング領域で蓄積してきた知見が十全に活かされている。

 また、6台のスピーカーで構成されるセットアップによる安定した定位感も、リアル5.1chならではの魅力だ。足音など音の定位が重要な情報となるFPSゲームでは、はっきりと音の鳴った位置を感じるためにイヤフォンやヘッドセットなどを使用するプレイヤーが多いが、『Arena 9』の5.1chシステムであればスピーカーから音を出力してのゲームプレイもできそうだ。前述した『Sonar』で足音やリロード音、銃声などを聴き取りやすくすることで、イヤフォンやヘッドフォン同様に高い定位感を維持したまま、より深い没入感を得られるだろう。

 『Arena』シリーズの発売は3月10日以降と少し先だが、予約受付はすでに開始しているとのことなので、興味のある方はぜひチェックしてみてほしい。

■関連情報
SteelSeries『Arena』WEBサイト
https://jp.steelseries.com/arena

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