呼吸するクッション『fufuly』をユカイ工学が発表 『CES2023』で初公開
ユカイ工学株式会社は、1月5日〜8日に米国ラスベガスにて開催される「CES 2023」で、呼吸するクッション「fufuly(フフリー)」を公開、発表する。「fufuly」はCES 2023 Innovation Awardsを受賞している。公開されるのは「ふしぎだけど癒やされる」というコンセプトモデルで、JT、博報堂、ユカイ工学が、プロダクト化を目指して開発中だ。
・テクノロジーを掛け合わせた、あたらしい休憩の提案、呼吸するクッション「fufuly」(フフリー)とは
呼吸するクッション「fufuly」は、抱きかかえて使う呼吸誘導型のロボットクッションだ。東京大学が行っている呼吸や休憩に関する研究をベースに、まるで呼吸をするように膨らんだり縮んだりするテクノロジーを活用し、JT、博報堂、ユカイ工学が開発、商品化を目指すプロジェクトから誕生した。
多忙な現代人は日常的に身体的・精神的にストレスを抱えている。ユカイ工学株式会社では、現代社会を生きる人々にもっと休息や休憩を意識し、促したいとの考えから、ゆったりとした気分に寄り添い、自然と深呼吸をしたくなるようなプロダクトができないかと検討を重ねていた。そこで、生物が持つ「呼吸の引き込み現象(注1)」に注目し、クッションの伸縮から、抱えるだけで無意識に呼吸のリズムと深さの両方が同調される仕組みをプログラムに取り入れたという。東京大学の研究(注2)によると、「Deep Breathing Technology」と名付けられたこの技術によって、ロボットの動きに合わせて、呼吸のリズムと深さが誘導されることが確認されている。
注1:動物が呼吸するとき、触れ合っている仲間の呼吸につられるという現象。
注2:Ban, Yuki & Karasawa, Hiroyuki & Fukui, Rui & Warisawa, S.. (2018). Relaxushion: controlling the rhythm of breathing for relaxation by overwriting somatic sensation. 1-2. 10.1145/3275476.3275492.
使い方は簡単で、スイッチを入れて、抱きかかえるだけ。
「fufuly」で使用されている技術「Deep Breathing Technology」は、呼吸の引き込み現象を活用した技術だ。まるで生き物が呼吸するように伸縮し、抱えるだけで自然と呼吸のリズムと深さの両方が同調されるので、心を落ち着かせたり、タスクパフォーマンスを上げたりすることが可能となる。
デザイン面では、呼吸や息のような製品コンセプトが伝わるように、"息"がモチーフとなっている。また、抱いている際に安心感を得られるよう、クッションにくびれを作り、抱えやすくしているほか、安らぎを感じるような柔らかいベロア素材を採用している。
東京大学大学院新領域創成科学研究科の伴 祐樹 特任講師は「fufuly」について下記のようにコメントしている。
「緊張をほぐしたり、心を落ち着かせるためには深くゆったりとした呼吸をすることが重要ですが、気がつかないうちに呼吸が浅くなっている人が少なくありません。一般的には、クッションを抱きしめることで心が和むと言われており(注3)、呼吸と合わせて穏やかな時間が過ごせるのではないかと思います。」
注3:Sumioka, H., Nakae, A., Kanai, R., Ishiguro, H. Huggable communication medium decreases cortisol levels. Sci Rep 3, 3034 (2013).
■展示会概要
名称:CES 2023
会期:2023年1月5日~ 8日
開催地:アメリカ・ネバタ州ラスベガス
ブース:Venetian Expo - Hall A-C、ブース番号:50026
■ユカイ工学出展内容
・「fufuly」(初公開)、ライトロボット「LIGHTONY」、BOCCO emo、甘噛みハムハム、Qoobo、Petit Qoobo