かまいたちが語る“地上波では見せないナチュラルな自分たち” ギャンブルやお金の話を積極的に発信する理由は?
レギュラー番組は17本、2022年の番組出演本数ランキング(ニホンモニター調べ)では関西・関東ともにトップ10にランクインするなど、テレビで観ない日はないと言ってもいいほどの存在であるかまいたち。その勢いは地上波のみならず、ABEMAの冠番組である『ぜにいたち』では「お金」というメディアからすると切り込みづらい話題をエンターテインメントと化し、YouTubeのチャンネル「かまいたちチャンネル」では“芸人YouTuber”としての側面も見せ、登録者数は180万人を超える。テレビで活躍ができていても、配信番組、YouTubeとすべてにおいて成功することが難しくなった時代で、なぜここまで視聴者を魅了できるのか。かまいたちの2人に話を聞いた。
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地上波じゃないからこそギャンブルやエロの話が堂々とできる
ーー『ぜにいたち』はかなり切り込んだ内容を取り上げてますが、おふたりにとってどういう存在ですか?
濱家隆一(以下、濱家):たぶん『ぜにいたち』のかまいたちが1番ナチュラルなんじゃないかな。
山内健司(以下、山内):自分の興味のあるジャンルが番組の企画に直結しているので、かなりのびのびできてます。地上波では流せないようなこともあって、面白いなと思いながらやってますね。
濱家:地上波だと放送できるか怪しい雰囲気になったときに「ん?」っていう空気が現場に流れるんですけど、『ぜにいたち』にはそれがないですね。ブレーキを踏まなくてもいい感覚があってそこが楽しめてます。
山内:『ぜにいたち』って番組名なんですけど、最近じゃもう「ぜに」が関係なくなってきて。番組の企画のなかでエロが伸びるならエロにいくし、心霊が伸びるなら心霊にいく。テーマに関係ないところにも突き進める思い切りの良さがいいですね。タイトルに縛られて企画が狭くなり、放送していくうちにしんどくなっていく番組は結構あるので。
濱家:たしかに本来であれば「今回のロケにはこれくらいお金がかかりました」みたいな「ぜに」の話を絡ませなきゃいけないはずなんですけど、まったくないのが気持ちいいというか。オープニングとかめちゃくちゃ「ぜに」感出してるのに、いざ始まったらまったく関係ない内容を放送するという。それでも観てくれている人が結構多いみたいなんで、嬉しいですね。
ーー人気の秘訣はどういったところにあると思いますか?
濱家:企画が視聴者の観たいものに直結してるんじゃないですかね。パチンコだけ取り上げるならもうパチンコだけ。エロだったらエロだけで1本分通すというのが、周りくどくなくて観やすいんじゃないかな。
ーー地上波ではあまり触れづらいエロやギャンブルの話をするにあたって、MCとして気をつけていることはありますか?
濱家:好感度はあんまり気にしてないなぁ。
山内:えっ。好感度に関わってきます?
濱家:あ、いま気づいた?
山内:ちょっと今後やめとこうかな……。
濱家:好感度とか何も考えず「こんな高いもの買いましてん」とか明け透けに喋っているんで。ただ、僕、いま好感度が異常に高いんですよ。高すぎるくらいだから『ぜにいたち』でちょっと落としてくれてちょうどええかな。
ーーいま芸人さんでも公にお金やギャンブルの話をする方が増えましたよね。そういった流れから言いやすさはでてきたんでしょうか。
山内:発信する側というより、全体としてギャンブル好きの層は多いんですよ。昔から。
濱家:そうそう。結局みんな観たいんですよ。お金が動いているところ。『ぜにいたち』を観ている人が多いこともその現れだと思います。
ーー「かまいたちチャンネル」でもおふたりが好きなパチンコやギャンブル系の動画は人気ですよね。
濱家:意外だなとは思いましたね。YouTubeを始めた当初はお笑い系の企画をやってたんですけど、だらだらスロット打つだけの動画がこんなに伸びるんだって。『北斗の拳』の生配信をやったんですけど、そのとき同接(同時接続数)が19万くらいで世界1位になったんですよ。スロットのファンってそこまで多いんだなっていうのは感じましたね。
ーーかまいたちさんの場合ギャンブルやパチスロに興味がない人も多く観ている印象です。
山内:僕自身もよくYouTubeでパチスロ系の動画を観てるんですけど、プロの方と比べて僕らの動画ってうるさいんですよ。わーわー言いながらやっているのが、興味のない人でも観ていられるし、入りやすいんじゃないかと。
登録者数180万人超えのYouTubeチャンネル。数字を伸ばせた要因は「タイミング」と「ねおちゃん」
ーー「かまいたちチャンネル」は現在登録者数180万人超えとタレントさんのなかではトップクラス。コロナ禍で様々な芸能人の方がYouTubeを始めるも、ここまで伸ばしたチャンネルは数少ない印象です。この理由についてどう分析していますか?
濱家:始めるタイミングが少し早かったんですよね。芸能人の方が一斉に始めた時期よりもちょっとだけ早くて。
山内:みんなコロナ禍になってから始めたんですけど、僕らは2019年の『M-1グランプリ』がきっかけで始めようとなったので、その少し前だったんですよ。
濱家:ほんま数ヶ月の差なんですけどね。でも僕らがYouTubeを始めたときは、まだ「芸人がYouTubeやんねや」というもの珍しさがあって、そのぶん反響があったんで、スタートダッシュがうまくきれたんじゃないかなっていうのはありますね。
ーー立ち上げられた当初、企画の方向性はどのように決めたのでしょうか。
濱家:最初僕ら自身ではお笑い系の企画を主にあげてたんですけど、ねおちゃんに「モーニングルーティーン」とか「かばんの中身」は観たい人が絶対多いはずと言われて。そんなんほんまに観られんの?とは思ったんですけど、あげてみたら意外と数字が伸びて。ねおちゃんのおかげっすね。
山内:あとねおちゃんに「動画をあげるペースは決めたほうがいい」といわれて2日に1本のペースで動画をあげるようにしました。当初は最初だけこのペースでいこうという話だったんですけど、いつの間にか2日に1本が固定になっていて。いまもそのペースであげ続けてます。
濱家:不定期で更新したら観たい時に観られない人がでてきてしまうから、視聴者が離れちゃうというしっかりしたアドバイスももらって。それを守り続けた結果ですね。
ーーお忙しいなか、かなりのハイペースですよね。
山内:せっかくこのペースでやっているんだからもうやめるタイミングがないなと。もうこのまま行くしかない。
ーー始められたタイミングと企画をYouTubeらしくすることもですが、動画の更新のペースを落とさなかったのも、タレントさんの中で群を抜いて登録者数を伸ばすことができた要因ということでしょうか。
山内:それは絶対あります。
濱家:観ている人に視聴習慣がついたのも動画をあげ続けたからこそだと思うんで、いまの登録者数に繋がっているんじゃないですかね。