第五回マリカにじさんじ杯本戦から見る、『マリオカート 8DX』の問題児コース「ベビィパーク」

にじさんじマリカ杯、「ベビィパーク」でドラマ誕生

 2022年12月18日、「第五回マリカにじさんじ杯 本戦」が開催された。本イベントでは厳しい予選を勝ち抜いた猛者たちが優勝を目指し、熱いバトルを繰り広げた。

 この回では、12月8日に配信されたばかりの「ロックロックマウンテン」や「ピーチガーデン」などの新コースが追加された状態で開催された。

 にじさんじ杯では、レースに参加するメンバーが走りたいコースを選択し、決定はゲーム内のルーレットに委ねるというルールを採用している。それぞれが得意なコースや練習を積んだステージを選択し、いったいどこに決まるのかとドキドキするのも恒例行事なのだが、今年もとあるコースが大会を盛り上げた。

 多くの参加ライバーが「ベビパだけはやめて!」「ベビパ以外で頼む!」などと祈りを捧げるなか、「ベビパ」が選択されるとコメント欄やライバーが(悪い意味で)絶叫した。なお「ベビパ」というのは、『マリオカート8 デラックス』に収録されているコースの一つ「ベビィパーク(以下、ベビパ)」を指す。

「ベビパ」の恐ろしさ

 ショートカットやドリフト、アイテムによる駆け引きなどがアツい「マリオカート」シリーズでは、複雑なコースギミックも醍醐味のひとつだ。

 しかし問題の「ベビパ」は、なんと数字の「0」のような形をした非常にシンプルなコースとなっている。加えて「マリオカート」シリーズ史上もっともコースが短く作られており、1周にかかる時間はおよそ20秒にも満たない。そのため、周回数が他のコースに比べて多く設定されている(『マリオカート8 デラックス』では7周)。

 このコースが厄介な理由は、ライバルたちとの距離が常に近く、アイテムによる攻撃がとめどなく襲ってくることにある。たとえば「みどりコウラ」や「バナナ」は一般的なコースではそうそう当たらないアイテムだが、このコースは道がやや狭いうえに被弾(他プレイヤーのアイテムの影響を受けること)などで不意に車線がズレることもままあるため、思わぬ事故に巻き込まれることも少なくない。

 またコースの短さが原因でプレイヤーが入り乱れるかたちになるため、1位が下位の強力なアイテムの攻撃を食らう可能性が高いなど、ほかのコースと比べてイレギュラーな状況が生じやすい。総じて運の要素が強く、被弾せずに走りきることが難しいため、特にコースの知識などに自信があるベテランには敬遠されがちなコースなのだ。

白熱の第五回マリカにじさんじ杯 決勝

 数々の熱いバトルがくり広げられ、前回大会で決勝に進出したメンバーが準々決勝や準決勝で次々に敗退するなか、ついに決勝リーグが訪れた。

 第五回の大会で勝ち上がったのは、シェリン・バーガンディ、春崎エアル、葛葉、イブラヒム、本間ひまわり、フレン・E・ルスタリオ、三枝明那、社築、レオス・ヴィンセント、ローレン・イロアス、渡会雲雀、甲斐田晴の12名。

 決勝で行われるのは、全6レース。キノピオハーバー、ビッグブルー、レインボーロード、パリプロムナード、ロックロックマウンテンといったおなじみのコースが選択されていく。そして迎えた最終レース、泣いても笑ってもこれが最後という場面で選ばれた舞台は、なんと三枝明那が選択した「ベビィパーク」だった。

 これには決勝参加者もさまざまな反応を見せたが、最終的に「これは笑うしかない」「面白くなってきたぞ!」という雰囲気のなか、最終レースがスタートした。

 5レース目を終えた時点で葛葉が圧倒的なポイント差で首位をキープしており、優勝確実かと見られた場面で、運の要素が大きく関わる「ベビパ」が選ばれた。この展開には司会を務める剣持刀也も「荒れるかもしれません!」と実況。まさに、誰が勝ってもおかしくないというミラクルな状況に、コメント欄も大きな盛り上がりをみせた。

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