バブリーダンスの生みの親・akane。TikTokで話題の新チーム・アバンギャルディで意識した「気色悪い」ダンスとは

アバンギャルディ・akaneインタビュー

曲から衣装を決めるプロデューサーとしての逆算力

――『2億4千万の瞳 エキゾチック・ジャパン』や『かもめが翔んだ日』など渋めの曲が多いですが、どのようにして選曲しているのですか?

akane:私がもともと昭和の歌謡曲が好き、ということもありますが、『THE DANCE DAY』では日本の楽曲しか使用できない規定があるため、「これはもう私の好きな歌謡曲にしよう」と思いました。そして、「昭和歌謡を選曲するのなら、相応しい衣装は何か?」と考えた時、「ジャンパースカートのような懐かしさを感じられる制服で、おかっぱ頭ならマッチするだろう」と頭に浮かびました。

――曲から衣装を考えたのですね。

akane:そうです。私のダンスは「カッコイイ」とか「可愛い」というよりは、「見たことがない」「面白い」「気色悪い」と思ってもらうことを意識しています。同じ格好をした人たちが同じ動きをすることにより、気持ち悪さや面白さ、非日常的な感覚を印象付けられると考え、衣装も統一しました。

――たしかに、一度見たら忘れられない良い意味での違和感を植え付けられました。

akane:そこはかなりこだわった部分です。ダンスを競う大会はテレビで放送されることは、ここ最近ほとんどありませんでした。『THE DANCE DAY』ではもちろん優勝を目指しましたが、多くの人に見てもらえることはわかっていたので、とにかく印象に残ることに注力しました。

――メンバーに指導するうえで意識していることはありますか?

akane:あまり「ああして、こうして」とは深く説明しません。やはり「どのようにクリエイティブしたいのか」「コンセプトをどのように解釈するのか」というダンサー自身の気持ちが大切であり、そこを追求できていなければ、心に響くダンスはできないと考えています。

――自主性に委ねることに不安はないのですか?

akane:そこは信頼しています。私が意味不明なことを言ってもダンサーたちならしっかり汲み取ってくれる、という信頼があるため不安はありません。ただ、「こんなことやりたくない!」と言われて、信頼関係が揺るぎそうになることもありますけど、そこは我慢してやってもらっている部分もあります(笑)。

「視聴者は自分達より動画の細部を観ている」

――撮影はどうしているのですか?

akane:意外と知られていないのですが、撮影も編集も私が行っています。「どのようなアングルで撮れば一番魅力が伝わるのか」ということにこだわっているため、何度も撮影することは珍しくありません。メンバーはハァハァ言ってますけど(笑)。

――何度撮影しても、まるで1回目のような顔で踊らなければいけないので、メンバーのみなさんも大変でしょうね。

akane:そう思います。ただ、何回も撮り直していることがバレたことがあります。1人のメンバーが膝をつくダンスだったのですが、何度も撮り直ししたために「膝がめちゃくちゃ黒くなっている」というコメントが寄せられたんですよね。ただ、「何回も撮影したんだね」とポジティブに受け取ってもらいました。そのおかげでコメント数が伸びたのですが、「細かいところまで注目されるんだな」と思い、気を引き締めようと思いましたね。

――編集におけるこだわりは?

akane:細かく区切ってそれを編集した動画よりも、一本撮りで編集もそこまで手を加えていない動画のほうが伸びやすいんですよね。撮っている私もそうですが、メンバーの緊張感も半端ではないと思います。その緊張感が動画を最後まで見てもらうことにつながっているのかもしれません。

共感を得やすい制服や学校に縛られない作品を作っていく

――現在のスタイルは継続する予定ですか?

akane:それは模索中です。ただ、基本的に学校はみんな行ったことがあり、共感してもらいやすいシチュエーションですので、たとえば学校にある用具を使用したパフォ-マンスなんかも面白いかもしれません。「見ている人に何を伝えたいのか?」というコンセプト作りから、見ている人が想像できない世界観や短い時間内での起承転結など、具体的な内容を固めていくため、特に制服にこだわらずに柔軟に考えていきたいです。

――メンバーの成長も大切になってきますね。

akane:はい。大会での優勝やSNSでの人気獲得など、アバンギャルディとして結果を出したいですが、メンバー1人1人が注目されるようにもなってほしい。個人でも動画を撮影してアップしたりなど、自分自身の力で注目されて、アバンギャルディを引っ張ってくれるメンバーが現れると嬉しいですね。

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