モータージャーナリストが解説する、ボルボ『XC40リチャージ』＆レンジローバー『イヴォーグ（PHEV）』 の魅力

　日本自動車輸入組合（JAIA）が開催した電動輸入車の試乗会。これからのモータリゼーションを左右するであろうEVについて、リアルサウンドテックでは元・いきものがかりのギタリスト、山下穂尊氏が最新EVの魅力について体験取材しているが、本稿ではモータージャーナリストの海野大介氏がその内容をより詳しく解説する。

「XC40」に追加された電動車

　ボルボ『XC40リチャージ』は同ブランドのコンパクトSUV「XC40」のラインナップに追加されたBEV（バッテリー駆動のEV）モデル。

 

　完全な電気自動車で、そのグレード体系はシングルモーター仕様と前後にモーターを搭載し、全輪を駆動するツインモーター仕様の2つ。エクステリアの特長はピュアEVを象徴するフレームレスグリルプレートや新しいホイールデザインなどだ。ルーフは全車ブラックルーフを採用、開放感溢れるチルトアップ機構付電動パノラマ・ガラスルーフも標準装備となる。

　インテリアは合成素材とリサイクル素材を組み合わせたシートやペットボトルをリサイクルしたカーペットを採用、また高級車の代表装備である本革を省いた100%レザーフリーを導入しているのも特長的。実はインテリアのバックパネルはスウェーデンのアビスコ国立公園の地図等高線がモチーフで、これをバックライトで浮かび上がらせて見せる演出がユニークだ。

ツインモーター仕様は400PSオーバー！

　走りの心臓部に搭載されるのは前記の如く2つ。それは69kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーで前輪に搭載された231PSのモーターを動かすシングルモーター仕様（639万円）と78kWhの駆動用バッテリーを持ち前後にモーターを載せ、合計408PSを誇るツインモーター仕様（739万円）だ。気になる一充電で可能な航続距離は前者が502km、後者が484kmとなる。充電は普通充電（9.6kW/AC200V）、急速充電DC（CHAdeMO）150kWまで対応。急速充電はおよそ40分でバッテリーの80%になるという。

　加えて、小型モーターの恩恵でボンネットの下には専用設計の30リットル容量のトランクスペースが両モデルとも設けられる。

　もちろん、後席は6:4の分割可倒式採用。SUVの使い勝手の良さはEVでも健在だ。

　インフォテイメントシステムはGoogle搭載の最新のものだし、ボルボの高度な先進安全・運転支援機能は全車標準装備。