抜群の歌唱力と奇想天外さをあわせ持つ、町田ちまの輝かしい“個性”

町田ちま、抜群の歌唱力と奇想天外さ

 そんな町田ちまであるが、ひとしきり歌い終わって話し始めると、あまり人と関わらない内気な性格がうかがい知れる。

 配信中に友人とマクドナルドに行った話しをすると、リスナーから「友達いたんだ?」「にじさんじ個人勢だもんね」とコメントが届いたり、実際に会った友達から「交友関係が閉じてない?」と話しかけられるなど、その雰囲気は周りに伝わっているようだ。

 ここで間違えてほしくないのは、内気であることは弱気ということではないし、言葉を交わさないのは人と関わりたくはないということでない、という点である。

 ここ数年でヒットしたラブコメ作品『古見さんは、コミュ症です』での、「人付き合いを苦手とする症状。またはその症状をもつ人をさす。留意すべきは苦手とするだけで、係わりを持ちたくないとは思っていない事だ」というセリフがそのまま当てはまる。

 町田ちまの場合、雑談配信などでは終始明るく、配信を見に来たリスナーやファンたちとも上記のような心に刺さる上段を言い合えるムードを生みだしている。すこし前には、同僚で仲の良い飛鳥ひなに会話のイロハを学んでいたのを思い出す。

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 時として、「どうしてそんなアイティアを思いついてしまった?」と思えるような一発ネタ系な配信をすることが多く、遊び心でフザけ倒すこともある。そもそも配信開始する際のオープニング動画が「小気味よいリズムの陽気なサンバ」という時点で、彼女の明るいキャラクターが伝わってくるはずだ。

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 町田とゲーム配信といえば『Minecraft』をよくプレイしており、プレイしている彼女もまったり・ふわふわとした印象とはまったく別、アクティブでハキハキとした町田ちまがそこにいる。

 自身の歌声をフックにしたネタ系の企画配信にしても、その舞台に『Minecraft』が選ばれていることが多く、なにかしらの設定が起きた際に歌を唄うという流れが定番。

 特に「現在時刻に3が入るたびにデビルマンを歌う」配信は、何度見ても面白い。想像通りのことが起こるのだが、その絵面のインパクトや流れが秀逸だ。オチが分かっていても、「美声が過ぎる」インパクトがやはり強くて笑わされてしまう。

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 ちなみに黒井しばとのコンビ名は「にじさんじ狂犬ズ」。町田は「狂犬ズの狂ってる方」としてファンに知られている。「明るい」を通り越して、むしろアクティブでアグレッシブな一面を知るファンも多いはずだ。

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 黒井と飛鳥の2人にくわえ、夢追翔、舞元啓介、ジョー・力一らと仲が良く、筆者が以前Nornisとしてインタビューした際にも「壁にぶつかったときにアドバイスを求めたい方」として名前を挙げるほど、彼女にとっても信頼の厚いメンバーである。

 そんな彼らに対しても、時には冷たく接し、時にはだらだらとしていたりと、内気な性格の裏に隠された持ち前のユーモアさ・ユニークさを全面に出せているようだ。

 その姿は「にじさんじ」らしさともいえるし、世に住む女性がたまに見せてくれる友好の証ともいえる。町田ちまのような女性像を、つい自分の友達のなかに探してしまうリスナーやファンもいるのではないだろうか。

 美声を響かせるお淑やかな歌姫でありながら、別の場面では内気さと茶目っ気の間で揺れる女性の姿をみせる。そうしてさまざまな表情を通して「身近な存在」「人懐っこさ」を感じさせ、知らず知らずに多くのファンをうむことになった。

 今後の彼女がどんな振る舞いと言動を見せてくれるのか、そしてどんな歌声を聞かせてくれるのか、楽しみで仕方がない。

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