IKEA、家具屋が舞台のホラーゲームに“商標権侵害”を主張 10日以内に特徴と外観の変更を要求

IKEAがホラーゲームに商標権侵害を主張

 家具メーカーの大手IKEAがインディーズゲーム開発者に対し、ゲームを修正するように停止命令書を送った。IKEAの代理人である弁護士は、一部の報道機関が同社の公式ブランドとこのゲームを比較していることから、このゲームは商標権侵害にあたると主張。開発者のジェイコブ・ショウに対して「ゲームを変更し、有名なイケアストアに関連するすべての表示を削除する」ことを10日以内に行うよう要求している。

 渦中のゲームは「The Store Is Closed」というタイトルの協力型サバイバルゲームだ。クラウドファンディングサービスのKickstarterでは記事執筆時点(11月4日)で約7.6万ドル(約1126万円)を集めている。Ziggyというスタジオ名を名乗る単独の開発者によって作られ、「無限に広がる家具屋が舞台」と説明されている。宣伝文句は「武器を作り、夜を生き抜くための要塞を構築する必要があります」と続き、説明や資料のどこにも「IKEA」という単語は出てこない。ゲーム内に登場する家具店の店名も 「STYR」だ。店を意味する英語の「STORE」を文字ったものでしかない。しかし偶然にもスウェーデン語で「コントロール」を意味する。

 家具がIKEAのもののようだという指摘もある。しかしショウは家具をデザインしておらず、一般的な家具のアセットパックを購入しただけだと反論。

 いくつかの反論の余地はあるものの、法的文書にはその他の類似点が多く指摘されている。「あなたのゲームには北欧の名前が書かれた青と黄色の看板、青い箱状の建物、IKEAの職員が着ているものと同じ黄色の縦縞のシャツ、床がグレーに塗られた通路、IKEAの家具に似た家具、IKEAの看板に似た商品看板が使用されています。これらのことから、このゲームの舞台はIKEAの店舗であることが一目瞭然です」。ここまで類似点を並べられると、言い逃れできないだろう。

 ショウのゲームは米国商標法および州の不正競争防止法、不正広告防止法に基づく不正競争と不正広告にあたるとのこと。彼は法的なアドバイスを求めつつも、費用を考えると降伏せざるを得ないことは確かだという。

 IKEAの目的はあくまでブランドの特徴と外観を変えることだ。それさえクリアできれば、発売を阻止するといった意図はないらしい。

 整然としたIKEA風の店舗を舞台にしたホラーゲームを見たかったが、クリーチャーが暴れる予告映像を観るかぎり、ブランドの価値を毀損するといわれるのも無理はない。気になる方は削除される前にSteamのページからご覧あれ。

(画像=Steamより)

〈Source〉
https://kotaku.com/ikea-furniture-horror-game-store-is-closed-kickstarter-1849715848
https://store.steampowered.com/app/1593010/The_Store_is_Closed/
https://www.kickstarter.com/projects/ziggygamedev/the-store-is-closed-infinite-furniture-store-survival-game

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