『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』最終回ーー嘘つきオオカミは誰? 史上最も“優しい嘘”で予想外のラストに

『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』最終回

 オオカミとして疑われ、脱落してしまいったひびき(鈴々木響)から、“オオカミではなかった”証として赤い風船と手紙がしおり(加藤栞)に託される。しおりは最終告白をする権利を放棄し、ひびきの真実を知る権利を選んだのだ。同じくしおりもオオカミではなかった。筆者はななを取り巻くひびきとりお(高橋璃央)のライバル関係も、しおりを取り巻く2人の関係も、ひびき側をオオカミとして見ていたが、真相は全くの反対で、なんとりおがオオカミだったのだ。

 ひびきがかき乱していたかに見えた物語も、実はりおのオオカミとしての嗅覚の良さとお膳立てがあったからこそなのかもしれないと思わされた。そしてシリーズ史上初、オオカミくんとオオカミちゃんが同時に存在する新たな取り組みのなか、最もおもしろい展開は“オオカミくんとオオカミちゃん”の騙し合いの恋愛だと思っていたが、心優しきオオカミのりおが、その任務や宿命にすっかり傷ついていたオオカミちゃんのももはに寄り添うという新しい展開が観られた。

 りおは月LINEを最終告白後のももはに使っていたのだ。「騙すっていう仕事はできなかったから、最後一番辛い仕事をももはに背負わせてしまってごめん」という優しい言葉をかけ、自分の行いがこれで良かったのか悩むももはに「るいは幸せだったと思うよ」と肩の荷を下ろしてあげていた。

 ひびきがしおりに「りおは本当に優しいから」というようなことを話していたのが思い出された。最後にはオオカミちゃんへのプレゼントとして、撮りためていた皆との思い出が詰まったアルバムを手渡し、「思い出までが嘘になってしまうことはないから」とあまりに素敵すぎる言葉を残し、傷心のももはを癒した。りおは“騙すことが出来なかった”ことから“何のために自分がいるのか”と悩んだこともあったとこぼしていたが、ある意味メンバーも視聴者もスタジオMCも含め皆を綺麗に騙してくれた。それはりおに無理のある嘘がつけなかったからだろう。嘘がなかったが故に皆が騙される。それもまたこの番組ならではの興味深い現象で、オオカミちゃんだったももはとも重なるところがある。

 そして最後まで番狂わせは続き、共同作業のイルミネーションの点灯イベント開催が最終回の放送前の日程となり、最終告白を終えて誰がオオカミかわかった状態のメンバーたちが、なにも知らない前提で振る舞う必要があるというシチュエーションが生み出されたようで、特例で最終告白後に“ももるい”の再会が叶うようだ。成立カップルのデート模様含め、ABEMAプレミアムでまたあの10人の絆や空気感、その余韻に浸りたい。

【場面写真】『オオカミちゃんとオオカミくんには騙されない』最終話

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