Doja Cat、The Kid LAROIら豪華アーティストを支えるJBLの音響技術を体感 『JBL FEST 2022』現地レポート(前編)

『JBL FEST 2022』レポート(前編)

 最後にイベントのトリを務めるDoja Catが登場。2021年にリリースし、大ヒットを記録した3rdアルバム「Planet Her」の収録曲を中心に据えつつも、ポップスターとしての地位を確立するきっかけとなった2019年の2ndアルバム「Hot Pink」収録の人気曲を織り交ぜつつ展開していくという内容になっていた。

Kevin Mazur / Getty Images for JBL

 そんなライブは1曲目の「Options」で幕を開けると、そこからはまさにDoja Catの多彩な表現力をヒシヒシと感じるまさに贅沢な時間に。ステージ上でアグレッシブに飛び跳ねつつ、観客を煽りながら、印象的なドリーミーなリフと重低音が効いたトラップ調の「Up And Down」でJBLのサウンドシステムを唸らせたり、高速でスピットされるラップが印象的な「Get Into It (Yuh)」で畳み掛けるように会場を沸かせる場面が見られた。

 序盤にもかかわらず、観客に一息着く間も与えず、パンチ力のある曲を繰り出し続けるDoja Catの姿に会場が釘付けになったのは言うまでもないが、その空気感をその後もキープし続け、ライブの前半終盤ではファンに愛される人気曲となった「Hot Pink」収録の「Juicy」や日本でもよく知られたヒット曲で代表曲の「Say So」を披露。「Say So」はオリジナルのキャッチーなポップソング風ではなく、ライブ仕様の貴重なロックアレンジで披露されたことで、ファンも大盛り上がりの展開となった。

 中盤では、自らお気に入りの曲であることを公言したコズミックで壮大なシンセが印象的な「Why Why」を披露したほか、オリジナルにはない泣きの80s AORをアレンジとして加えた「Shine」、The Weekndとのコラボ曲ながら、そのパートを自ら伸びやかな歌声で歌ってみせた「You Right」など、夏の夜に映える幻想的な曲をもって、このパートを締め括る。

 後半では、この日披露した曲のなかでは比較的古い1stアルバム『Amala』の曲となるRico Nastyとのコラボ曲「Tia Tamera」も披露。同曲では、観客席にマイクを差し出すパフォーマンスでファンのテンションを盛り上げる要因となったが、それ以上に目を引いたのが「ゴー、DJ」というDoja Catの呼びかけから始まった、曲中での激しいドラムソロやバックバンドによるジャムセッションだ。再び披露されたライブならではの演出によって、高まりきっていた会場のボルテージは最高潮のもう一段階先に到達した感じがあった。そこから「Ain’t shit」、「Like that」が矢継ぎ早に披露されたかと思うと、ラストはSZAとのコラボ曲「Kiss Me More」を披露。同曲では途中、Doja Catがファンに「メイク・サム・ノイズ!」と呼びかけると曲調がいきなりロックアレンジに変化するというサプライズも見られ、曲のアウトロとして披露された会場に鳴り響くギターソロと、観客の大歓声が入り乱れながらの熱狂と興奮のライブを終える様は特に印象的だった。

Kevin Mazur / Getty Images for JBL

 Doja Catのライブは約45分ほどだったが、先述のThe Kid LAROIとは対照的にMCがほぼなく、全体的にDJミックスを聴いているかのようなシームレスさがあったため、体感的にはそれよりも短く駆け抜けていくような感じがあった。しかし、その時間は非常に濃密であり、まさに現行ポップシーンを牽引する人気アーティストの実力が如何なく発揮されていたように思う。また通常であれば、スタジアムクラスのベニューでしか見られないであろう完成されたそのパフォーマンスをこの規模で見られたことで、後から押し寄せてくれる余韻もまさに"贅沢な時間"を過ごしたがゆえの特大な満足感があった。

 ちなみにThe Kid LAROIは、JBLのアンバサダー就任時に「音楽やサウンドを通じて大胆で力強いメッセージを発信していくという、JBLと自分には共通の情熱があることにとても感動を覚える」と述べており、同じくDoja CatもJBLのアンバサダー就任時に「JBL製品の最大のファンとして、これから取り組むクールなものが待ちきれない」と述べるなど、JBLに対する強い信頼を口にしている。

 今回の『JBL LIVE!』では、長きにわたり、アーティストたちを支えてきたJBLの音響面でのサポートはもちろんのこと、その信念が表れた世界観作りにしっかりと両者が答えたからこそ、本稿で紹介したような観客の熱狂や感動が生まれたはずだ。その光景を間近で目撃し、かつそこに集まったすべての人々と共有できたことも、筆者にとっては本当に貴重な体験となった。それだけに、このJBL製品を通じて生まれた感動が1人でも多くの日本の音楽ファンに届くことに期待したい。

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