「ミュージシャンのために一つの突破口を開きたい」 大津 惇がドラマー、音楽家としてライブ配信を続ける理由
――大津さんは、画面の中で完結してしまいがちなライブ配信の活動を大変器用にリアルイベントへ繋いでいる印象があります。「Pococha」からどのようにリアルの集客に繋げていくかは、ライバーさんにとっての課題なのではないでしょうか。
大津:「Pococha」は、ライブに行ったことがない人にもリーチできるようなプラットフォームだと思っています。コロナ禍で実際にライブに行くのは不安という人もいると思うので、それだったら一旦うちの枠で疑似体験してみて、それで会いたくなったら来てもらう。もちろん僕をきっかけにほかのライバーさんのライブに行くのもいいですし。リアルの活動へのの突破口として利用しているライバーさんは、まだあまり多くはないと思っていて。「Pococha」の中だけでなくリアルに足を踏み出すきっかけになれれば嬉しいですね。実際に自分がツアーに出たとき、地方の人でも「近くに行けば会えるかもしれない」と足を運ぶ一つのきっかけになってほしいので、その点では利用しないわけにはいかないプラットフォームだと思います。それを活かせてないということがむしろもったいない。ミュージシャンだったらやはりお客さんに来てほしいですからね。
――実際の集客に対して配信の中で工夫してることはありますか。
大津:告知はしています。アシスタントの役割をしてくれている人が僕の枠に何人かいるのですが、ライブのスケジュールをまとめてくれているんです。さらにTwitterにアカウントを作り、今月はこういうライブがあるということをフライヤー付きで載せてくれていたりも。最近はリアルに加えて配信ライブを行うライブハウスも増えてきたので、来れない方には配信チケットで観てもらうこともありますね。そもそも「Pococha」だからこそ配信に課金するというところでは、親和性が高いんじゃないかと思っています。配信チケットの収益は伸び悩んでいたのですが、「Pococha」を始めたことをきっかけにちょっとずつ売れるようになってきました。それに地方のライブの時でも、「Pococha」でライブ配信を見たのをきっかけに10~20人くらいお客さんが来てくれるようになったので、それも嬉しいですね。僕が普通に生きて音楽活動をして、しかもメジャーアーティストの黒子をやっていたら、まず僕自身が注目されることはなかったんじゃないかな。でも自分が主体になって「Pococha」で話すようになってからは自分自身のファンがつくようになったので、そういう意味でもありがたいなと思います。
――アーティストとライブ配信の掛け合わせとしての理想型ですよね。
大津:ただ実際、ミュージシャンの中では、まだ抵抗がある方が多いですね。同じミュージシャンからライブ配信アプリをやっていることを疑問視されることもあるんですよ。僕はそれを打ち崩したくて。「何かデメリットあります?」くらいの感じで、僕が提示できればと思っています。すごく仲の良いドラマーさんが、たまたま僕のライバー事務所のトップライバーで、「Pococha」内ランク制度でS6という最高ランク帯にいるトップオブトップの方なんです。彼はリアルでも超有名なドラマ―で、有名アーティストさんに帯同してライブもしています。その彼と、「Pococha」を始めるにあたってこんな約束をしました。「多くのミュージシャンのために一つの突破口を開きたい。生き方としてライブ配信はダサくないし、めちゃくちゃかっこいいというのを俺らで示そう」と。
――ご自身の周りで音楽活動をやりたいけれど何らかの理由で悩んでいる人がいたら「Pococha」を勧めていきたいですか?
大津:実際に現場で勧めています。ファンが増えて、自分の好きなことをやっている時間がバイトしている時間より増えたなら、いいことづくしだと思いますね。はじめは良さを理解してもらえませんでした。でも「Pococha」から一定数の集客があるようになってからは「『Pococha』に出てくれてありがとう」に変わってきたんですよ。そういうところから知ってもらって、最終的には有名なアーティストの方にも「『Pococha』をやっているんで、よかったら来てください」くらいのことを言いたいです。
――この先、目指していることがあれば教えてください。
大津:「Pococha」では、みなさんにずっと応援してもらってきた集大成としてS6ランクを目指せればと思っています。また「Pococha」以外では、ドラムマガジンの表紙を飾りたい。基本的にバンドに所属していないと表紙は飾れないので、まずはバンド活動を頑張りながらみんなに知ってもらって、ファンが増えればと思っています。
――ありがとうございます。最後に、あなたにとっての「Pococha」はどんな存在ですか。
大津:“縁結び”ですね。「Pococha」で自分がポジティブな「気」を持っていると、リアルでの物事がいい方向にむかっていくと思っています。「Pococha」で調子が上がれば、それが仕事にも繋がりますし、そのポジティブなサイクルをこちらからまた「Pococha」に持っていけば、ずっと絶好調をキープできる。そうやって縁を繋いでいって、僕は少しずつ新しい方面から仕事をもらえるようになりました。いろんなご縁に触れる機会があったから、やっぱり「Pococha」は僕にとっての“縁結び”かな。
■大津 惇
Pococha:https://www.pococha.com/ja-jp/app/users/a7797c0e-7cb6-4b66-b058-8b8b0c3c7bba
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