ラランド・ニシダはただの"クズ芸人"なのか? 個人チャンネルでしか分からない別の魅力
かつて上智大学の同級生であった、芸人でありながら事務所の社長もこなすサーヤと、“1浪3留2退学”、“家賃を自分で払ったことがない”クズ芸人で知られるニシダとの異色コンビでお馴染みのラランド。その人気はすさまじく、9月には2度目となる単独ライブ「『祝電』vol.2」を控え、筆者もチケット応募に挑戦したものの、受付開始わずか数秒で売り切れとなってしまった。
一見するとラランドは、「優秀なサーヤ」と「クズなニシダ」のシンプルな構図に思えるかもしれない。サーヤは、所属するバンド「礼賛」の作詞作曲や、広告会社の経歴を活かした「ニシダ・アド」などの持ち前のクリエイティブな発想も活かしながら活動している。
一方でニシダは、テレビでも「クズ芸人」として出演することがほとんど。ラランドのYouTube公式チャンネル「ララチューン」においても、ニシダのクズさを最大限に活かしたコンテンツが多々あり、「ニシダ更生プログラム」はその代表である。
しかしそんなニシダには、FUJIWARAが「ララチューン」で大絶賛するほど“美人”と評判の彼女がいたり、「面白い上に多彩である」と世間から認知されているサーヤが相棒であったりと、「クズ芸人」でありながら”優秀な相方”と“可愛い彼女”をもつという、誰もが羨むようなとんでもない男なのである。
「優秀なサーヤ」と「クズなニシダ」で止まってしまうと、ラランドの魅力は分かり辛い。サーヤはなぜクズと言われるニシダとコンビを組むのか、不思議で仕方がない人も多いのではないだろうか。そこで、ニシダは本当にクズなだけなのか、今回はあえてニシダにスポットを当てて、ラランドの魅力に迫りたい。
ラランドの魅力は、TVやYouTubeなどのメディアをうまく使い分け、コンビのイメージを変化させているところにある。YouTubeの「ララチューン」では、「空き時間トーク」や「大阪宿泊トーク」など、TVでの漫才やコントなどでは見ることがない、YouTubeならではの2人の雰囲気が魅力。また「ニシダに使えるスペイン語」シリーズでは、ニシダをしっかりいじり、定着しているイメージを守りつつ、上智大学外国語学部の学歴を活かした、ラランドならではのインテリなテーマで視聴者からも好評である。
一方で、フリーを活かした自由なコンテンツも魅力である。「ニシダに4630円の誤送金してみた」など、笑いにして良いのかどうかがギリギリな時事ネタも積極的に扱える。動画では頑なに返金をしないニシダがクズに見える反面、「ちゃんとチェックしてない方が悪いんじゃねえのか!?」と声を上げるニシダを完全否定できないことが悔しいのも面白い。さらに、ラランドの自由さには、ニシダが「死ぬこと以外なんでもやる」という”NGなし”のレアキャラであることも大きいだろう。