YouTubeはクリエイターにどのように寄り添ってきたのか YouTube Japan担当者と振り返る15年間【前編】

YouTubeはクリエイターにどう寄り添ってきた?【前編】

YouTube Nextupのプログラムを立ち上げた背景

ーー日本人のYouTubeクリエイターが盛り上がっていくなかで、ターニングポイントになったのが次世代のクリエイター発掘を目的にした「YouTube Nextup」だと思います。これを始めたのはどのような意図があったのでしょうか?

イネス:YouTube パートナープログラムを通して、収益化の実現や先駆者的なクリエイターを見出すことができたわけですが、その次にやるべきことは「YouTubeクリエイターになりたいかも」と考える方が、実際にクリエイターとして活躍できる環境を作り、より多くの新しいクリエイターを生み出すことだと思っていました。そこでたどり着いたのが、YouTubeクリエイターの発掘や支援を目的にした「YouTube Nextup」のプログラムです。YouTubeクリエイターになるには、ある程度のプロダクションスキルやコンテンツ戦略が必要になってくるので、そういった部分について、我々がさまざまなクリエイターさんと接するなかで培ってきたノウハウをもとに教育プログラムを作成し、しっかりとサポートしていこうと決めたんです。

NEXTUP2019 クリエイターインタビュー

ーーYouTube Nextupでフックアップされたクリエイターも、ある種ロールモデルのような形でほかのクリエイターの見本になっていきました。

イネス:そうなんです。YouTube Nextupの教育プログラムを受講したクリエイターさんが、その次の年にはOBとして参加し、新しく選出されたクリエイターさんに向けて自身の体験や学んだことを話す機会があったりと、非常にいい循環が作れていると思っています。同じ夢を追っているクリエイター同士だからこそ、YouTubeの社員が話すよりも助言が耳に入ってきやすく、モチベーションにも繋がっているんですね。

ーー非常に多様なクリエイターが選ばれており、波及効果も大きいですね。

イネス:幅広く、いろんなコンテンツやジャンルの中からピックアップしているのは、ユーザーがどんなコンテンツを求めてYouTubeを見にきても、好きな動画が見つかるというプラットフォームを理想に掲げているからです。そのためには、どういうタイプのコンテンツであっても、それを作ってくれるクリエイターさんの力が必要になります。ですので、できるだけ多様なジャンルを取り扱い、さまざまなタイプのクリエイターさんを支援できるように意識しています。もちろん、最初はエンタメ系のコンテンツが多数を占めていましたが、いまでは学びやHow to系など、よりいっそう多様化していると感じています。

ーーさらに、各ジャンルのトップクリエイター同士がコラボして、ジャンルの枠を超えて視聴者の興味の幅を広げているような動きもありますね。

イネス:コラボはYouTubeクリエイターにとって、非常に重要なコミュニケーションのひとつだと捉えています。動画クリエイターはどうしても孤独になりがちな職業なので、クリエイターコミュニティの中で気が合いそうな人同士、一緒に動画を作ってコンテンツの幅を広げれば、いい動画も生まれるし、視聴者も伸ばすことができます。

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