Appleが開発を断念したワイヤレス充電器「Airpower」 プロトタイプを海外YouTuberが紹介

 Appleが過去、開発を断念したワイヤレス充電器「AirPower」。その完成品とまでは至らないものの、AirPowerのプロトタイプを動画で紹介した海外YouTuberがいる。YouTubeチャンネル名は「Luke Miani」(チャンネル登録者数40.2万人)で、該当の動画は2022年8月19日公開の「EXCLUSIVE Hands on with a WORKING AirPower!!!」だ。

EXCLUSIVE Hands on with a WORKING AirPower!!!

 2017年9月にiPhone Xが発表された時、AirPowerも開発されていることが明らかになり、発売は2018年とされた。AirPowerはiPhoneだけでなく、Apple WatchやAirPodsを同時に充電できるワイヤレス充電器で、Appleユーザーに発売を楽しみにされていた製品の1つだ。しかしその後、2018年のAppleの発表イベントなどで言及されることはなく、ついに2019年3月に技術的の問題を理由に、開発を中止すると発表された。

 そのような中、Luke Mianiが2022年8月に動画でプロトタイプのAirPowerを紹介したことで、今回注目を集めた形。本動画内では2つのプロトタイプが用意されており、2つめが詳細に紹介されている。2つめのプロトタイプの中には、22個の充電用コイルが搭載されている。電源と接続し、AirPodsをワイヤレス充電器の上に置くと、見事充電できた。また、iPhoneをワイヤレス充電器の上に置くと、1秒程度充電できた。当人はこの結果に対し、強い喜びを表している。

An Actual Airpower!? w/ @Luke Miani

 こちらのプロトタイプは、Apple製品に詳しいDongle(YouTubeチャンネル名:DongleBookPro)と共同で紹介されている。DongleBook Proがプロトタイプを手に入れ、それをLuke Mianiに貸し出したようだ。両者のYouTubeチャンネルで、それぞれこちらのプロトタイプが紹介されている。

 実は、AirPowerの開発が断念された理由の1つに、放熱問題があった。iPhoneやApple Watch、AirPodsを同時に充電できるとされたAirPowerは、複数の充電用コイルを実装する必要があり、電流を流すことにより生まれる熱を効率よく放射できるようにするのがAirPowerの問題となっていた。

 また、今回の面積が広いプロトタイプのワイヤレスマットは、置く場所によってはAirPodsが充電されないシーンも見られる。このように、開発を断念したAirPower製作の難しさが、動画から十分にうかがえた。

 今はまだ1秒程度しか充電できないプロトタイプだが、AirPowerは今後、Appleではない誰かの手によって製作されるかもしれない。

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