YouTube上で「ショートアニメ」が大流行する理由 キーワードは「コスパ」と「満足感」

 最近YouTube上で、3分間でクスッと笑えるショートアニメ系のチャンネルが、伸びてきているのをご存じだろうか。たすくこまやマリマリマリーはチャンネル登録者数100万人を超え、約4カ月前に動画投稿を開始した「大学生ズの恋。」はすでに40万人を突破している。

 なぜいま、ショートアニメ系チャンネルが波に乗っているのだろうか。そこで今回はショートアニメ界でもとくに人気のチャンネルをいくつか紹介するとともに、市場が伸びている理由、YouTubeを支え得るポテンシャルについて考察する。

最近人気のショートアニメ系チャンネル

 まずは最近人気のショートアニメ系チャンネルを2つほど紹介したい。

 1つ目はチャンネル登録者数140万人を超える「たすくこま」だ。昔は歌ってみた動画を多く投稿していたが、最近ではオリジナルアニメがチャンネルの中心になりつつある。このアニメの中でも人気なのが「ドゥフアニメ」。たかちゃんと呼ばれる天パの成人男性が、ツッコミをいれまくる動画シリーズだ。

 本アニメは100万回以上再生されている動画も多く見られ「せっかくのGWなのにコナンと旅館かぶったやつwww」は2022年7月15日現在で、再生回数448万回を超えている。また「たすくこま」はショートアニメ系のチャンネルがそう多くはなかった2020年1月頃から、アニメ動画を投稿しはじめているため、いち早くこの市場に目をつけたチャンネルといえるだろう。

チェーンのファミレスでシェフ呼ぶやつ
ひろゆきに影響を受けすぎた数学教師【アニメコント 】

 次に紹介するのがマリマリマリーだ。「チェーンのファミレスでシェフ呼ぶやつ」や「ひろゆきに影響受けすぎた数学教師」などクスッと笑えるアニメ動画を投稿している。2020年8月に投稿を開始し、まだ2年ほどしか活動していないにもかかわらずチャンネル登録者数は120万人に到達しようとしている。エモいイラストと登場人物が淡々と突っ込むシュールさが魅力だ。

ショートアニメ系動画がバズっている2つのワケとは?

 ではショートアニメ系動画が、最近人気を加速させているワケはどこにあるのだろうか。1つ目の理由は「イラストが放つ魅力」である。例えばマリマリマリーはイラストレーターのMORISAKI SHINYAの手から生み出される、手の込んだエモいイラストタッチが唯一無二の魅力である。他方、先ほどは紹介しなかったが、こちらもクスッと笑える動画が人気のマオメエアニメのイラストは、背景は特になく登場人物も棒人間と比較的シンプルな絵柄である。

 どのチャンネルもイラストがオンリーワンで同じものは決して存在しない。多くのチャンネルのコメント欄では、イラストに対する感想も散見されていることからイラストの影響力はやはり大きいことが予想される。

 そして2つ目が「3分間とは思えない圧倒的な満足感」だろう。ほとんどのショートアニメは3分以内の隙間時間に視聴できる、ちょうど良いボリュームで構成されている。ただ動画時間が短いからといって、満足感が足りないわけではない。この3分間で間髪いれずに無数のツッコミとボケが盛り込まれているため、圧倒的な満足感があるのだ。

 お笑い芸人が10〜20分ほどのコント動画を上げて視聴者を楽しませている中、3分間でたくさんの笑いを提供するショートアニメ系動画は「笑いのコスパが良い」といっても良いだろう。

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