手の皮が剥けるまで遊び、試行錯誤の大切さを学んだ『カスタムロボ』 23年経っても色褪せない3D対戦アクションの傑作を振り返る

 7月15日、サブスクリプションサービス「Nintendo Switch Online」にて、『カスタムロボ』・『カスタムロボV2』(以下、V2)の2タイトルがソフトラインナップに加わった。

『カスタムロボ V2』 3つのポイント [Nintendo 64 Nintendo Switch Online 追加タイトル]

 今回は、少年時代に上記2タイトルを遊んだ筆者の体験談を交えつつ、いまなお全く色あせないゲーム性の奥深さや楽しさについて考える。

3D対戦アクションゲームの新境地を開いた『カスタムロボ』

 まずは同シリーズの第一作目『カスタムロボ』から振り返りたい。同作は1999年12月に発売されたNINTENDO64用ソフトで、そのタイトル名の通り、30cm程のホビーロボットを題材に捉えた3Dアクションゲーム。プレイヤーは「コマンダー」(カスタムロボ使い)として様々なキャラクターと交流、幾度となくバトルを繰り返しながら最強のコマンダーを目指していく。

 作中の世界では「ホロセウム」と呼ばれる専用フィールドが各地に設置されており、児童層を中心に日々激しいバトルが頻発。プレイヤーも例に漏れず、新型のカスタムロボ「レイ」を愛機とし、はては全国チャンピオンや悪事を企む組織と矛を交えることになる。スタートボタンを押した直後から少年マンガを想起させる王道ストーリー展開が印象的だ。

 ”カスタムロボ”と銘打っているように、同作の最大の特徴は「自分好みにロボットをカスタマイズできる」点。ロボットはそれぞれ「ガン」「ボム」「ポッド」「レッグ」の4部位が設定されており、プレイヤーはストーリー進行等で新たなパーツを入手した場合、それらを自由に付け替え、ロボットの性能面を自由自在に調整することができる。またロボット単体の種類もバリエーション豊富。粗が目立たないバランスタイプの「シャイニングファイター型」や空中機動に長けたエリアルビューティー型」など、パーツとロボットの組み合わせにより、実に多種多様な戦い方を試すことができる。

 一方、”自由自在”と言ってもカスタムの幅は丁度よい塩梅でデフォルメされていて、「手の付け所がまったく分からない!」なんて状態に陥る心配もほぼ無い。この”無理のない範囲で程よく試行錯誤が楽しめる”という点が個人的に評価したいポイントだ。

 バトルは範囲制限ありの3Dフィールド(俯瞰視点)で行われ、各種アクションのレスポンスも良好。なおかつロボットを動かすだけでも十分に気持ち良い。基本ルールは「ガン攻撃やタックル攻撃で相手にダメージを与える」→「相手の耐久力を削りきって勝利」という具合に分かりやすく、3Dアクションゲームの素養は多少なりとも必要であれ、おおむね取っつきやすいシステムにまとまっている。出来ることに限りこそあるが、上述のカスタマイズ要素と相まってゲーム性はグッと奥深い。

 こうした仕組みは続編の『カスタムロボV2』をはじめ、プラットフォームの垣根を超えた後続タイトルへしっかりと受け継がれており、第一作目の完成度の高さが改めて伺える。当時の筆者も友達と集まって2P対戦で大いに盛り上がり、熱心なプレイの末に手のひらを痛めつつもバトルに明け暮れていた。

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