話題となった“サンリオ版Dead by Daylight” カジュアル化×コンテンツの組み合わせは多くの人に届く秘訣か
6月14日にイマジニアによりリリースされたスマホ向けゲーム『サンリオキャラクターズ ミラクルマッチ』。サンリオの人気キャラクターが捕まえる「ハンター」と、逃げる「チャレンジャー」に分かれて鬼ごっこをするゲームで、全国のプレイヤーと対戦することができる。そのゲーム性が『Dead by Daylight(DbD)』や『IdentityV 第五人格』といった非対称性対戦ゲームに似ていることから、リリース前から「サンリオ版DbD」と呼ばれ話題になっていたタイトルだ。
実際、本作は『DbD』や『第五人格』を遊びやすくしたようなタイトルで、これまで同ジャンルが獲得できなかったライトユーザーにも遊びやすいのが特徴といえる。また、7月には累計ダウンロード数が100万件を突破するなど、駆け出しも上々だ。
本稿では、そんな本作の特徴を紹介しつつ、本作のような競技性の高いジャンルのゲームと人気キャラクターコンテンツの組み合わせについても簡単な考察を行っていく。
サンリオのキャラクターが織りなすライトなゲーム
本作のオンライン対戦でプレイヤーは、ハンターかチャレンジャーのどちらかを選択し、ハンター2体とチャレンジャー6体で試合を行う。100秒の制限時間内で、ハンター側はチャレンジャー全員を捕まえれば、チャレンジャー側は一人でも逃げ延びれば、それぞれ勝利となる。現在はハンター、チャレンジャー共にプレイヤーは一人ずつで、ほかのキャラクターはCPUが担当するが、将来的にはCPUなしの2vs6のプレイヤーマッチが実装予定とのことだ。
冒頭で述べたように、逃げるチャレンジャーと追うハンターという構図や、捕まったキャラクターを救助できるといった点は、同ジャンルのゲームと共通している。その一方で、一試合の制限時間が100秒という短時間でプレイできることや、チャレンジャーが妨害のために使える木の板のようなオブジェクトが存在しないといった違いがある。また、マップも家の角など隠れる場所はあるものの、シンプルかつ見通しのいい構造となっており、隠れているチャレンジャーをハンターが探すというより、純粋な追いかけっこをする展開が中心となる。また、各キャラクターはスキルを保有しており、その使いどころが勝利のカギとなる。
そんな本作だが、最大の特徴はやはり「サンリオ」のキャラクターを操作できることにあるだろう。『DbD』や『第五人格』はホラーゲームだからこそ、緊迫した雰囲気でゲームをプレイでき、それが緊張感のあるプレイが魅力となる競技性の高いシステムとマッチしている。
一方で本作は、ホラーからは縁の遠いサンリオのキャラクターたちが鬼ごっこをして遊ぶという、カワイイ世界観で繰り広げられる。ハローキティやマイメロといったキャラクターが、ぬいぐるみのように動く姿は見ているだけでも癒される。
以上のように本作は、サンリオのキャラクターを生かしつつ、ほかの非対称性対戦ゲームに比べてシンプルでライトなゲームとなっている。そのため、同ジャンルをプレイしてきたゲーマーだけでなく、サンリオが好きな子どもや女性を含むライトゲーマーにも届くタイトルだと言えるだろう。人気キャラクターを用いたゲームは、そのキャラが登場することとゲーム性がマッチしていることが重要だが、その点でも本作は成功しているといえるのではないだろうか。