にじさんじの“朝の男”伏見ガクが持つ、「生真面目」で「残念」な魅力
一方で、その爽やかさからは大きくかけ離れたギャップや「残念さ」が活動の中で随所に現れており、その落差も彼の魅力となっている。
・ライバー活動を始めたのちに興味本位からパチンコが大好きになり、公式番組『ツキイチ!にじさんじ』にて「イメージ崩壊でリスナーを泣かせている件」としてスッパ抜かれるまでになる。その後、自身が主催となって『にじさんじバーチャルパチンコ大会』を開催するほどまでになった。
・自身の配信サムネで「雑コラ」なサムネイルを制作することがあり、配信のなかでもオールバック×サングラスの風貌となってリスナーを笑わせにくることもある。同じ元二期生であり「†咎人†」などで共演が最も多い剣持刀也すらも困惑するほど。
・ホラーゲームが好きでゲーム配信することも多いが、ほとんど驚くことなく、むしろ笑いながらプレイしつづける。ホラーゲーム初心者や苦手な方にとってはとても優しい配信。
・『プリンセスコネクト!Re:Dive』『ウマ娘 プリティダービー』といった美少女コンテンツやアニメ作品を愛好していたり、「彼女を作る」「恋愛もの」といったニュアンスのゲームに対して敏感である。
そんなギャップも、彼の生真面目さがあってこそ生まれるものであろう。
2022年3月2日にサッカーJリーグのJ1に属する18クラブとにじさんじのコラボレーションが決定し、伏見ガクは清水エスパルスが担当チームと発表された。
「スポーツを応援したのは学校の運動会くらい」と口にしていた伏見だったが、これを契機にして徐々にサッカーと観戦にハマっていくことになる。スポーツ配信サイトのDAZNに入会してサッカー観戦をしはじめると、Twitterに「#spulse」をつけて応援ツイートを何度となく投稿するようになり、4月10日に開催された清水エスパルス対ガンバ大阪戦、IAIスタジアム日本平で行なわれたホーム戦を初めて現地観戦したと報告した。
現地観戦のまえに財布を落としてしまった話、観戦時の盛り上がりと感想、スタジアム近辺の様子やこれから行ってみようとする人たちへのアドバイスなどをリスナーに熱心に語っていく配信となり、配信中には清水エスパルス公式チャンネルや清水エスパルスを愛するYouTuberらからのコメントが相次ぐ雑談配信となった。
伏見ガクと清水エスパルスのSNS上でのやりとりを中心に、清水エスパルスと公式コラボしている漫画家の松原ミホさんも加わり、ハッシュタグを使ってのファン同士の紹介ツイートなどが盛んに行なわれ、サッカーファンとVTuberファンが互いのカルチャーを理解しあい、共援しあえる関係性へと変わっていくことになった。
サッカー初心者である伏見が徐々にサッカーに慣れ、サポーターへと変わっていく姿は、それまで彼を追いかけてきたリスナーにとっても劇的な変化に映ったのはいうまでもない。
5月23日にグッズ販売などの予定されたコラボプログラムが終了したものの、伏見ガクは今後もエスパルスを応援することを配信中に宣言。ひょんなことからパチンコの面白さにドップリとハマってしまった彼のことをおもえば、その言葉はウソでもなんでもなく、長きにわたって清水エスパルスを応援していくのだろう。