まさにリアル版『アイドルマスター』 『NOBROCKドキュメント』が見せる佐久間宣行の魅力

リアル“プロデューサーさん”の葛藤

 ちなみに、同チャンネルの魅力は、「青春高校3年C組アイドル部」の5人の成長、というよりは、佐久間氏の仕事に対する真摯な姿勢ではないか。佐久間氏は一貫して「まず俺の野心よりあの子たちが幸せになってほしい」「とにかく関わったら、幸せになってほしいし、喜ぶ顔が見たい」とメンバーにとってメリットのある関係を築けるかどうかを念頭に置いており、その気持ちが伺える発言が多い。“人のために仕事をする”スタンスには好感しかない。

 また、共通の夢が出てこない3人に対して「『君らが世の中で売れたほうが世の中の人が幸せになる』とか、『この人たちの魅力をどんな手を使っても世の中の人に知らしめたい』ってまだ思えない」とセリフも熱い。自分が携わった人が幸せになるだけでなく、その人を知った人も幸せになれるかまで見据えており、愛の深さを感じる。簡単にはプロデュースの依頼を受けなかったのも、3本目の動画の終わりに「俺はムカついている。せっかく会ったのにやる気にさせてくれないってどういうこと?」と怒りを口にしたのも、それも5人だけでなく視聴者を思ってのことだろう。

 同チャンネルでは、まさに人気ゲーム『アイドルマスター』の“プロデューサーさん”となった佐久間氏が、プロデューサーとしての葛藤や苦悩を滲ませる姿が映し出されている。アイドルのプロデュースの難しさはもちろん、佐久間氏の人間としての魅力も十二分に楽しめるだろう。

 ちなみに6月8日の『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送系)の放送内で、「NOBROCKドキュメント」の開設に触れた際、「ある程度は撮り貯めたけど、マジでこの後何も決まってない」と発言しており、本当に今後の展開が読めないドキュメンタリーと言える。まさに“筋書きのないドラマ”がリアルタイムで動き出した。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる