『Weekly Virtual News』(2022年4月25日号)
企業、バーチャルアーティスト、YouTuber、NFT――問題解決に向け各自が手探りで進む“新しい領域”
4月21日に実施された『Meta Quest Gaming Showcase 2022』では、『Meta Quest 2』向け新作VRゲームが多く発表された。とりわけ、“新たな形の人狼ゲーム”として破格の人気を得た『Among Us』のVR版『Among Us VR』は大きな話題を呼んだ。「人気タイトルのVR化」は、いまだに大きな需要があるということだろう。また、サプライズとして『ゴーストバスターズVR』も発表された。往年の名作映画のVRゲームとして、こちらも注目したい。
これらの新作情報は、日本向けTwitterアカウント「Meta Quest Japan」でも即座に発信されていたのは印象的だ。そして先日、「Meta Quest Japan」の公式アンバサダーが発表された。VRの魅力を発信するインフルエンサー4名が選出され、『Meta Quest 2』の魅力などを発信する活動を行うとのことだ。公募も実施されているところからも、Metaが日本市場を強く意識していることがうかがえるだろう。
「cluster」には画面共有機能が実装された。PC上の画面を「cluster」のワールド内に自由に表示できる機能であり、メタバースと各自の端末を簡単につなぐことが可能になる。映像鑑賞や勉強会など、その使い道は様々だ。運営のクラスター株式会社も、paiza調べの「エンジニア注目企業ランキング」の10位にランクインしたことが明らかになり、国産メタバースは日々注目を集めつつある。
この「cluster」で1年間継続して音楽ライブを実施してきたのが、バーチャルアーティスト「memex」だ。昨年5月より彼らが実施してきたプロジェクト「Serial live experiments」は、「cluster」に建設したライブ空間「Club Adaptation」にて毎月バーチャルライブを開催し、各回で得られたフィードバックをもとに「Club Adaptation」を開発・発展させていくという、意欲的な取り組みだ。この「Serial live experiments」が4月30日をもって完結することと、1年間のライブ実施を通した収支が発表された(※1)。メタバース空間におけるアーティスト活動の興味深いモデルケースとして、そのレポートは参考になるだろう。
「著名なYouTuberのVTuber化」の事例も一つ増えた。キッズ向けホビー紹介やゲーム実況を行う英語圏YouTuber・CookieSwirlCだ。チャンネル登録者数は1760万人。昨年VTuberデバイスしたEl RubiusやHIKAKINと同様に、VTuberとは桁違いの数値だ。一時的な運用にとどまるか、本格的なVTuber転向となるかは不明だが、VTuberが一般的になりつつある出来事として注目したい。